アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
干潟の鳥と、干潟のゴミ
2016年08月24日ぎらぎらと太陽が照りつける藤前干潟...
皆様こんにちは。
名古屋自然保護官事務所の平賀です。
ぎらぎらと...なんて言ってみましたが、干潟には秋の渡りの鳥が徐々に飛来し始めているのが観察できます。蝉の鳴き声や、空の雲で秋を感じることは知っていましたが、干潟の鳥で秋を感じるのは私にとって初めての体験!
(仲良く2羽で休憩中のキアシシギ)
干潟に渡ってきているシギ・チドリ類は、
夏は涼しいシベリアなどの北の地域で繁殖・子育てをして、冬はオーストラリアなどの暖かい南の地域で越冬します。その途中の中継地として干潟を利用するのですが、シベリアからオーストラリアまで約3万キロ!
それを自分の腕一本...いや、羽根一つで飛んでくるわけで、彼らの凄い能力を感じます。
(足が黄色いキアシシギ)
いったいシベリアとはどんなところなんでしょう? 彼らに聞いてみたいものです。
(岩と同化していたマガモ)
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さて、鳥が賑わいを見せ始めた藤前干潟。
私たちが勤務している稲永ビジターセンターがある稲永公園も連日例のアプリで賑わっています。人で賑わうのは良いのですが、比例するようにゴミの量も増えました。こちらもゴミをゲットしてはいるのですが、
できればゴミは各自で持ち帰っていただけるようご協力をお願いしたいところ・・・。
よろしくお願いいたします!
そんなゴミ流れでもうひとつです。
藤前干潟に流れ着くゴミ、特に生物に影響を及ぼすレジンペレットとマイクロプラスチックについてです。
大雨が降って増水した後の岸際には枯れたヨシに混ざってマイクロプラスチックが塵のように散乱しています。
(左:ヨシ原に散乱するゴミの現在の様子 右:緑や赤や色鮮やかなマイクロプラスチック)
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マイクロプラスチックとは...
●5mm以下のプラスチック片
●日光によってプラスチックゴミが劣化し崩壊したもの
●1mm以下になっても消えることなく水中を漂う
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などなど。
干潟にあるヨシ原にゴミは多く流れ着き絡まります。
ぱっと見は大きなゴミ、ペットボトルや空き缶、その他のプラスチックゴミなどが目につくのですが、
干潟の表面に目をやると小さなプラスチック片をいっぱい確認することができます。
これらのやっかいなのは、いつか分解され自然に返ることもなく、
人力で収集しない限り永遠にここにあるか、水中を漂うことになります。
大きなゴミは拾うことは出来ても、すでに破片になったマイクロプラスチックは拾うことは困難ですね。
これらを魚類や鳥類が食べてしまうとどうなるか?
そんなことを夏の終わりに考えてみるなんていかがでしょうか。
また、稲永ビジターセンターでは、深刻さの増すマイクロプラスチック問題について、新聞記事
やインターネットの情報などについて、まとめて紹介する展示を来春まで行っています。
ご興味のある方、是非お越しください。