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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

今回のテーマは「水」、志賀高原でもJPRを開催しました

2016年08月12日
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、上信越高原(じょうしんえつこうげん)国立公園の志賀高原地区担当です。


志賀高原地区では7月31日に、子どもパークレンジャー(略称:JPR)の活動を行いました。

今回のテーマは「水」です。11名のJPRとともにスタートです。


<出発前に志賀高原に詳しいガイドさんから今日の行程を聞きます>


■きれいな「水」にすむ生き物

「せせらぎ遊歩道」という、せせらぎ程度の流れに沿った遊歩道を歩きます。探したいものは、きれいな水に住む生き物です。


<せせらぎに架けられた橋の上から、ガイドさんから注意を受けたとおり、そっと川を覗き込みます。ここでは目的の生き物を2匹見つけることが出来ました。>


場所を移動して、再び同じ生き物を探します。次の場所はスキー場を流れる水路。側面がコンクリートになっていて、建物が近くにあります。果たして、こんな場所にもいるのでしょうか?


<子供たちは川を覗き込んでいます。何かを見つけたのか、指さしている人もいます。>


<探していたのは「イワナ」。ヒレに白いラインが入っているのがイワナの仲間の特徴です。上の写真のようにたくさんの人が観察していても全く逃げません。ここは禁漁区。釣られないことを知っているのでしょうか。>


イワナを観察した後、旅館の建物やスキー場の近くを流れる川でもイワナがいる理由を志賀高原漁業協同組合の方からお聞きしました。簡潔にまとめると「地域の方の協力を得て、汚れた水を川に流さないようにしたため」とのことでした。協力していただくまでは、かなりの苦労があったとも話されていました。



■次は、山頂で「水」に関係のあるもの

イワナを観察した後は「焼額山(やけびたいやま)」の山頂を目指します。山頂で「水」に関係のあるものって何でしょう?

答えは下の写真。


<「水」に関係のあるものというより水そのものが焼額山山頂にあります。「稚児池(ちごいけ)」と呼ばれています。山頂なので、池の水は、雪溶け水か雨水がもとになっているはずですが、積雪が少なくても、日照りが続いても、満々と水をたたえているのだそうです。>


<稚児池の周りには湿地(湿原)が広がります。ガイドが湿地の特徴を説明する中で、「湿地のミイラ」の話がありました。学術的な説明とともにインパクトのある話題で興味を引き付け、湿地の特徴を印象付けようとしていたので、説明が心に残りました。>



これで「水」に関係するものの観察は終わり、後は麓へ下りるだけです。冬にはスキー場となる斜面に付けられた管理用道路を歩いて下ります。


<リフトの支柱とケーブルが、今歩いている地面よりも、あんなに高い所にある。いったいどのくらいの高さまで雪が積もるのでしょうね。>


そして、下りる途中、チョウを超たくさん見ることが出来ました。十数頭のチョウがとまっている場所では、歓声が上がりました。

<どのチョウも同じ種類の花にとまっています。左:ミドリヒョウモン、中:アサギマダラ、右:ヒメキマダラヒカゲ。>


<最後にまとめの会。さすがに「疲れた」という感想の子どもが多かったです。>


参加した11名のJPRには、夏休みの楽しい行事になったと思います。主催者としては、「上信越高原国立公園」、「志賀高原」という言葉も、この行事の思い出とともに心に残してもらえると、うれしいです。

お疲れ様でした。次は冬に会いましょう。


【第2回の予告】

第2回は平成29年2月5日(日曜日)に行います。場所は長野県高山村のYAMABOKUスキー場で、内容はスノーシューでスキー場周辺を歩き、地域の雪深さを体感します。テーマは同じく「水」ですが、冬なので水が変化した「雪」となります。

申し込みについては、改めてお知らせします。