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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

今年は残雪がとても少ない

2016年06月30日
中部山岳国立公園 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、中部山岳国立公園(≒ 北アルプス)後立山地区からです。


6月22日は、白馬大雪渓(はくばだいせっけい、しろうまだいせっけい)の下流端に当たる白馬尻(はくばじり)付近(長野県白馬村)を歩きました。


「残雪の少なさ」は、白馬尻から白馬大雪渓を撮影した今年と昨年の写真を比べると、感じることが出来ると思います。上は今年の6月22日、下は昨年の7月28日に撮影したものです。

<平成28年6月22日撮影。雪渓の下流端は写真中央右寄りのところにあります。そこから谷に沿って帯状に上に白く伸びるのが白馬大雪渓。>


<平成27年7月28日撮影。撮影日は約1ヶ月遅いが、雪渓の下流端は上の写真よりも下流側にあります(雪がたくさん残っている)。人が写っている後にも残雪の塊があります。昨年は残雪が多かったので、これが平年というわけではありませんが、残雪の量の違いが実感できます。>



同じような光景は、栂池自然園(長野県小谷村)でも見られました。

上は今年の6月7日、下は昨年の7月2日に撮影したものです。こちらでも去年と今年とでは、季節の進み方が全然違うことが分かります。

<平成28年6月7日撮影。この場所のミズバショウは既に開花の見頃を過ぎていました。遅霜にやられて仏炎苞(白い部分)が茶変しているものがありました。>


<平成27年7月2日撮影。撮影日は約1ヶ月遅いが、ミズバショウは見頃でした。残雪もありました。>



さて、白馬尻付近(標高約1,450mから約1,600m)では、いろいろな花を見ることが出来ました。

<左:キヌガサソウ、右:サンカヨウ。>


<左:カラマツソウ、右:オオサクラソウ。>


<左:キバナノコマノツメ、右:オオバミゾホオズキ。>



梅雨が明けると、うだるような暑さがやってきます。白馬尻での白馬大雪渓からの涼風や、栂池自然園での標高1,900mの涼しさは、避暑にぴったりです。どうぞお出かけください。


<アクセス>

■「白馬尻」

猿倉(さるくら)までは車で来ることが出来ます。夏季には白馬駅から猿倉まで路線バスが運行されます。猿倉から白馬尻小屋までは徒歩で約1時間、緩い登りの未舗装の林道の後に、比較的整備された山道を歩きます。

■「栂池自然園」

山麓の栂池高原から、ゴンドラとロープウエイを乗り継いだ後、約10分歩くと栂池自然園に着きます。ゴンドラ、ロープウエイの料金と栂池自然園への入園料がかかります。



【お知らせ】

「登山計画書の提出が義務付けられます」

長野県は、長野県登山安全条例第20条第1項の規定により、遭難の発生のおそれが高いと認められる山岳の登山道を指定登山道として指定しました。平成28年7月1日より指定登山道を通行しようとするときは、登山計画書の提出が義務付けられます。指定登山道については長野県のページをご覧ください。

<http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/tozanjorei/tozanjorei.html>

・登山計画書の様式はこのページの上のほう、指定登山道についてはこのページの中ほどにリンクがあります。


なお、今回紹介した白馬尻については、猿倉から入山する場合、登山計画書提出の除外区間が設けられています。猿倉から白馬尻小屋までの往復の場合は、除外区間であるため登山計画書の提出は義務付けられません。白馬尻小屋よりも上部へ行く場合は登山計画書の提出が義務付けられます。登山計画書は猿倉荘で提出可能です(猿倉荘では夏季に登山相談所が開設されます)。