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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

やらねばならぬ!-外来種への取り組み-

2016年06月24日
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵

万座自然保護官事務所管内で"フィーバー"発生中(゜Д゜)!!

突然の書き出しで"?"ですよね・・・失礼しました(汗)


一体、何がフィーバー中かと申しますと・・・"外来種フィーバー"なのです。

全国的に問題が深刻化している"外来種問題"。当所管内も例外ではなく、外来種が生息しています。

ですが、ただ黙って見ている訳ではございません!!「本来の自然景観を保全しよう!」といった思いから、当所管内でも様々な活動主体による外来種対策の取り組みが積極的に行われているんですよ^^そういった活動に、春からガッツリと参加してきました。


まず、鹿沢インフォメーションセンター運営協議会が主体となっている「ハルザキヤマガラシ」の駆除作業を皮切りに・・・

(湯の丸高原のレンゲツツジ群落と鹿沢高原の自然環境保全のため、鹿沢温泉から湯の丸高原を通る県道沿いで作業)


次に、嬬恋軽井沢自然倶楽部が主体となっている「オオキンケイギク」「オオハンゴンソウ」の駆除作業を・・・

(バラギ高原の自然環境保全のため、バラギ温泉湖畔の湯周辺で作業)


浅間・高峰観光協議会、白根山系の高山植物を護る会がそれぞれ主体となっているハルザキヤマガラシの駆除作業にも・・・

(高峰高原や浅間山の自然環境保全のため、小諸市市道「チェリーパークライン」沿いで作業)


(ラムサール条約登録湿地である芳ヶ平湿地群の自然環境保全のため、国道292号線沿いで作業)


このような取り組みは、地道な活動であり、「本当に意味があるの?」という意見も伺ったことがありますが、私は個人的に、成果は徐々に出てきているように感じています。

鹿沢で取り組んでいるハルザキヤマガラシの駆除については、少なくとも8年は続いており、取り組みが行われていない場所と比べると目の前に広がる景観の明らかな違いに気付かされます。


外来種問題には、輸入・輸出、旅行による移動など、私たちヒトの営みが起因しています。そして、これらの保全活動も、ヒトとして外来種問題に向き合うひとつの営みであると思います!今後も頑張って取り組みを行っていきたいです。


ここで、駆除した外来種の特徴について、写真で簡単にご紹介~。

【ハルザキヤマガラシ】(総合対策外来生物)

菜の花に似ていますが、花芽が小さく葉にテカリがあるのが特徴です。

繁殖力が強く、在来種を駆逐します。


【オオキンケイギク】(特定外来生物)

コスモスに似ていますが、花びらの先端に切れ込みがあり、葉の両面に荒い毛があることが特徴です。

繁殖力が強いため、在来種を駆逐します。


【オオハンゴンソウ】(特定外来生物)

ヨモギに似た葉で、裏に荒い毛があります。また、黄緑色の大きな花が特徴です。

繁殖力が強く、「アレロパシー」という物質を根から出し在来種を駆逐します。


※もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物(動物及び植物)を"外来種"と呼びます。

環境省では、外来生物法において日本国外から来た外来種のうち、地域の自然環境だけでなく人や農林水産業に被害を及ぼすものを"特定外来生物"に指定し、飼育・運搬などの規制や防除の対策を行っています。(詳しくは環境省HP「ニホンの外来種対策」をご確認ください。)


ーお願いー

特定外来生物の防除は哺乳類と鳥類を除き誰でも行うことができますが、生きたまま他の場所に運ぶことは法律で規制されています。特定外来生物を見かけた場合は、まず行政機関にご相談ください。