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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

春の兆しを探して

2016年03月02日
国指定藤前干潟鳥獣保護区 アクティブレンジャー野村 朋子

立春を過ぎ、少し暖かくなったかと思えば、

強風が吹きすさぶ寒い1日だったり・・・。

最近は気候がなかなか安定しない上に、

インフルエンザが今頃になって流行っているとのこと。

みなさん、くれぐれも体調にはお気をつけください。


こんな日々ですが、暦はもう3月です。

冬の間は、大潮の日でも昼間には干潟があまり見られない藤前干潟ですが、

最近はだんだん大きく広がる干潟が見られるようになってきました。


2月終わりの比較的穏やかな日に干潟へ春の兆しを探しに行ってきたので

少し報告したいと思います。


大きく広がった干潟で最初にみつけたのは、オナガガモの群れでした。

しかし、少し前に比べて数が少ない・・・。

冬鳥であるオナガガモは、冬の一時期は1,000羽以上確認されていましたが

最近は100羽程度に減少しているとのことで、すでに北へ帰り始めているようです。

【干潟の上で休むオナガガモの群れ】


次に目に入ったのはユリカモメの群れ。

この群れの周辺にユリカモメに似たズグロカモメも数羽見られ、

干潟の上でカニを捕まえているのも観察できました。

写真にはうまく撮れませんでしたが、

冬の間は白かった頭が、夏羽である黒色に変わっている途中の

ごま塩模様の頭をしているズグロカモメもいました。

【まだ頭が白いユリカモメ。ユリカモメも春になると頭が黒色になります。】


また、干潟の横にあるヨシ原で、メリッメリッという音が聞こえたので見てみると、

ヨシ原の奥にオオジュリンがいました。

ヨシの茎の皮をはがして、中にいる虫を必死で捕らえているようでした。

【ヨシの間にかろうじて見えるオオジュリン】


この日は、この他にも、盛んに水浴びと羽繕いをしたり、

干潟の上で餌を探し回ったりと

活発に動く鳥たちも見ることができました。


春の兆しを少しだけですが感じることのできた1日でした。

春がますます待ち遠しいです。