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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

*白山と雪のはなし①*

2015年12月14日
白山国立公園 アクティブレンジャー 小島永莉子

 11月26日の16時をもって白山公園線が閉鎖しました。石川県白山市白峰の風嵐ゲートから別当出合間は冬季通行止めです。

 冬の間白山国立公園は閉ざされてしまい、私も今年度はもう入ることはありません。この時期を迎えると、何だか寂しい気持ちになりますが、その分春が待ち遠しく、シーズン中は楽しみも倍になります。冬の間も、登ることは出来なくてもとても美しい姿を拝むことが出来るので、遠くから白山を眺めながら春の訪れを待つこととします。

                                                                      

この先に白山が・・・

                                                                          

これが現在の白山自然保護官事務所です↓

事務所かどうか怪しく見えますが、これは雪囲いをしてあるからです。

                                                                          

通常はこんな感じで、ちゃんと看板がありますよ↓

積雪により窓が割れたり、建物内に雪が入り込むのを防ぐために冬季は雪囲いをします。

                                                                       

 白山の名の通り、山上はもちろん白山の麓も日本有数の豪雪地帯となっており、たくさん雪が降ります。例えば、富山県南砺市や岐阜県白川村も白山国立公園を含んでいますが、こちらは合掌造りが有名です。特徴のある急勾配の屋根は雪が自動的に落ちるので都合が良く、豪雪地帯ならではの知恵です。石川県白山市白峰は重要伝統的建造物群保存地区に指定されていますが、こちらも家屋に特徴があります。

白峰重伝建の代表的存在 山岸家

                                                                        

 白峰重伝建は土壁と縦長の窓が特徴としてよく挙げられます。土壁は夏涼しく冬暖かいという利点があります。窓は、半間から一間間隔で柱をたてるため(一間=6尺で約1.818m、半間ならその半分なので約90㎝)、半間幅に収まるよう縦長となっていますが、小さい分防寒対策にもなっているそうです。どの特徴も雪に対応出来るようにという人々の知恵を感じさせます。

                                                                            

 雪囲いも雪かきも、労力のかかる大変な仕事です。そんな少々やっかいな雪ですが、実は白山にとっても私達にとっても、とても重要な役割をしています。これから雪のシーズンなので、しばらく雪についてお伝えしていきます。きっと、もっと白山が好きになりますよ。