アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
平成27年度 第2回JPR開催報告
2015年10月30日1週間ぶりの活動にもみんな元気に参加してくれました!
まずは、前回設置したセンサーカメラで撮影された結果をみんなで確認しました。
o(^-^)oワクワク・・・お~!写ってた、写ってた!!
タヌキやニホンカモシカ、ヒメネズミにキツネ、アナグマを撮影することができました。
前回は食痕などの痕跡から様々な動物が生息していることを確認しましたが、センサーカメラを設置したことにより、より多くの生きものがいることを把握することができました。
そして、ニホンジカやイノシシなども・・・。この2種類は他と比べ、かなり多く撮影されていました。現在、個体数が増加し生態系や農作物被害を起こしている要因の一つとなっており、その個体数調整が早急に必要とされています。
今回は、そのような野生動物による被害を知ると共にその対策について現地調査を行いました。
そしてなんと、ベアドッグ(※)のタマとハンドラーの純平さんも活動に同行!!
タマは、先日アメリカからやってきたばかり。まだ、1歳の女の子です。
ハンドラー純平さんの目をシッカリと見つめ、話を聞く姿には既にベアドッグとしての威厳が感じられました。
まずは、純平さんからベアドッグの役割についての説明が行われました。
クマの匂いを感知して吠えて追い払うように訓練を受けてきたタマは、これから本格的に軽井沢町でベアドッグとして活動していくことになるとのことでした。
ちなみに、ハンドラーとベアドッグは深い絆で結ばれた関係となる必要があり、純平さんとタマは24時間常に一緒に行動しているそうです。子どもたちもみんな、タマの魅力にメロメロでした(o´∀`o)
そして、実際に行われている対策について現地確認に出発です!
これは、クマが開けられないように工夫されたゴミ集積箱。動物園と協力して開発されたそうです。
この集積箱が設置されるまで、クマによるゴミ集積所荒らしが年間120~130件ほどあったそうですが、現在では年間0~1件と激減したそうです。
また、増えすぎたニホンジカやイノシシへの対策として"くくりわな"を設置し、個体数調整を行う取り組みについても学びました。
ハンターでもある純平さんにより、わなの設置についての説明が行われ、たろ~さんジカが捕獲されました!!
たろ~さんの持っている木の枝に、シッカリとわなが!その威力にみんなビックリ!!
ただ、このくくりわなに捕獲対象でないクマやニホンカモシカなどが誤ってかかってしまうことも。わなから脱出しようともがいているうちに、足が千切れてしまう事態が発生しているとのお話もありました。
そして、野生動物たちに「ここから先は来たらダメだよ!!」「これは食べたらダメだよ!!」と、人間と野生動物の住み分けを教えるための"電気柵"を確認。
むやみに人間の居住区に入ってこないよう、農作物を食べてしまわないように取り組みが行われていました。
また、野生動物が車道に出てきてしまい、轢かれて死んでしまうという"ロードキル"についても学習しました。人ばかりでなく、野生動物も被害に遭ってしまっていることを改めて感じることとなりました。
軽井沢町内では、車道沿いに電光掲示板を設置して「シカ飛び出し注意」などの表示を行い、被害の軽減に取り組んでいました。
現地確認後、班に分かれて今回の活動についてまとめtime。
相談しながらそれぞれ役割分担して、協力しながら作成。そして、発表!
野生動物と付き合っていく中で、自分たちにできることについてまとめてもらいました。
「森を切り開いたり、松を植えすぎてエサを減らすようなことはしない」「動物が人間に慣れないようにエサをあげない」「むやみに動物を鉄砲でうたない」など多くのアイデアが飛び出していました。
人は、動物たちの住む森の近くで生活している事を忘れてしまうことがありませんか?
今回の活動で、参加してくれた子どもたちはその事を再認識してくれていた様子が見て取れました。たくさんの野生動物がみんなの周りには生息していること、そしてその魅力を知り、その上で気を付けていかなければならないことを学んでもらえたようです。
みんなの住む地域の魅力を伝えられることができていたら嬉しいな♪
今回は2回の活動となりました。元気に参加してくれてありがとう(≧▽≦)
また会えるのを楽しみにしてるよ~☆
※ベアドッグとは、人の居住区域に侵入してきてしまったクマを本来いるべき森へと帰すように訓練されたカレリアン・ベアドッグです。クマを傷つけずに共生して行くため、そして人間の安全を守るため、ハンドラーと共に重要な役割を担っています。
ピッキオでは現在、タマの他にナヌックがベアドッグとして活動しています。これからの彼らの活躍に期待ですね(o´∀`o)