アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
夏から秋へ 大源太山(みなかみ町)
2015年09月18日こんにちは、谷川の小竹です。
9/3、大源太山の歩道調査を行いましたので、その時の様子を紹介します。
新潟県湯沢町の大源太山は7月の記事でも紹介しましたが、今回紹介するのは群馬県みなかみ町にある別の大源太山で、平標山から三国山まで縦走する間に位置しています。今回は赤谷林道(群馬県みなかみ町)から入山し、浅貝(新潟県湯沢町)に下山しました。
赤谷林道は木材の伐採、運搬で重機が出入りしていました。赤谷林道は一般車通行止となっているので、こちらから登る場合は川古温泉手前の駐車場に車をとめ、そこから歩くこととなります。
林業の作業現場を過ぎると、林道終点はもう少しです。写真の沢を渡ると本格的な登山道が始まります。
樹林の急登が続きます。つづら折りで道幅が狭いため、足の踏み場に注意しましょう。登るにつれ、周りにササが増えていきます。
黒金山まで登ると、勾配が緩やかになります。途中、ミヤマナラの葉に赤い実のようなものが付いているのを見つけました。これはナラハヒラタマルタマバチというハチが作った虫こぶ(虫えい)で、中でハチの幼虫が育っています。おいしそうな色をしていますが口にしないように。落葉した後、幼虫はこの虫こぶの中で越冬します。
大源太山山頂。晴れていれば谷川連峰の仙ノ倉山、エビス大黒ノ頭などが見えますが、今回はガスに包まれて何も見えませんでした。
大源太山~三角山間は花がたくさん咲いていました。(左:ウメバチソウ、右:アキノキリンソウ)共に8月から秋にかけて見頃を迎える花です。
三角山から浅貝までの道はミズナラを中心とした樹林帯で、道幅は広く、全体的になだらかです。ここで運良くミヤマクワガタを見つけました。ミヤマクワガタは細かな体毛が特徴ですが、時間と共に毛が脱落することが多いそうです。この個体には毛があまり見られず、動きもゆっくりめで少し弱っている印象でした。羽化してかなり時間が経った個体の様です。
登山道を下りきると浅貝ゲレンデに出ました。ゲレンデでは色づいたススキが風になびいて秋の気配が漂っていました。ゲレンデ内の舗装路を進めば、新潟県湯沢町苗場のスキーリゾート地が見えてきます。
今回の歩道調査では、見つけた生き物から夏から秋への移り変わりを感じることができました。夏から秋へ移りゆき、過ごしやすくなるこの時期ですが、山では時間や場所によって気候が大きく変化します。今回の歩道調査でも、序盤の急登で夏の暑さを、ガスに包まれ風がよく吹いた大源太山山頂付近で早秋の寒さを感じました。気候の変化に対応できるような服装の準備を忘れないようにしましょう。