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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

秋の気配・・・藤前干潟

2015年09月16日
名古屋 西部理恵

藤前干潟から、こんにちは。

今日(9月18日)の藤前干潟

今日は久しぶりに青空が見えた藤前干潟。

8時半頃の満潮なので、干潟はまだ出ておらず海ですが・・・

藤前干潟も少しずつ秋模様となってきました。

といっても、山や森ほど秋感が伝わりにくいのが干潟。

秋を伝えてくれるのはもちろん渡りの鳥。

シギ・チドリの数も増えてきています。



といいながら、鳥の話ではなく、この写真。

ちょっとぴんボケで申し訳ありませんが、

皆様もご存じトビハゼです。

魚、だけど水が嫌いな、あのトビハゼ。

藤前干潟のトビハゼ1

この写真を撮影したのは、9月15日(火)。

実は私たち名古屋自然保護官事務所は、

毎月1回、庄内川河口の小さな干潟で

モニタリング調査を実施しています。

長靴で干潟の中に入っていくと、

カニ達に混じって、ぴょんぴょん飛び跳ねる姿が。

体長が5cmないくらいの小さめの個体が多いのですが、

目がぷっくり飛び出したトビハゼです。



藤前干潟のトビハゼ2

こんな感じで何匹も、調査中の私たちの周りを飛び跳ねていました。

よーく見ていると、1cmちょっとのちびっ子トビハゼもぴょんぴょん。

初夏の頃から産卵が始まり、この時期、トビハゼらしい姿になって戻ってくるトビハゼの子供たち。

8月の終わり頃にセンタースタッフから、"赤ちゃんのトビハゼが見られるよ"

と聞いていたので、感動ものです。



実は、この調査の2日前、9月12日(土)にも、

私はトビハゼを見る機会がありました。

藤前活動センターで潮だまり観察などをするイベントが行われ、

その際に、とても沢山のトビハゼを見ることが出来たのです。

参加者の方々も大興奮!

藤前干潟の潮だまり観察会

ところが、

通常はこの藤前活動センターの干潟では見られないのだとか。

冬には巣穴の中でじっと動かず越冬するトビハゼは、

藤前活動センター前の干潟では満潮になると水没してしまうため、

越冬することが出来ない、

というのがその理由だそう。

台風の大雨で増水し流された個体が見られたのでは?、とのこと。

このトビハゼ達がもしかするとこの冬を越せないのかなと思うと、

ちょっと悲しいですね。



この愛らしい姿にファンも多いトビハゼですが、

近年、生息地の減少などで全国的にも数を減らしており、

環境省の準絶滅危惧種にも指定されています。

秋はイベントも多くなる季節。

環境関連のイベントもありますので(9/19(土)環境デーなごやなど)、

ぜひ皆さんも、ひっそりと数を減らしている生き物たちのこと、

考えてみてください。



干潟は季節の変化がわかりにくい場所ですが、

こんな風に足下をじっくり観察してみると、

生き物たちの生活からも小さな秋の気配を読み取ることも出来るんですよ。

小さな秋を探しに、身近なフィールドへ出かけてみてください!


9月23日(水)には稲永ビジターセンターでバッジを作るイベントもあります。

藤前干潟の生き物バッジを作ろう

稲永ビジターセンター、藤前活動センターにも遊びに来てくださいね!