中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

*自然公園クリーンデー*

2015年09月09日
白山国立公園 アクティブレンジャー 小島永莉子

 自然公園クリーンデーってご存じですか?実は私も全く知りませんでしたが、毎年8月の第1日曜日に実施している全国一斉の自然公園美化清掃活動のことなんです。なんと昭和58年から実施しているそうです。

今年は白山国立公園でもこの自然公園クリーンデーの存在を知ってもらい、利用者へ美化思想を普及させるべく、パークボランティアさんの協力を得て清掃活動を実施しました。                                                               

                                                                           

まずは啓発活動として利用者へのゴミ持ち帰りの呼びかけと、ゴミ袋の配布を行いました。

【活動の様子】                【歩きながらも宣伝】

登山者がバスを降りるタイミングを狙い、話しかけます。

「自然公園クリーンデーです。ごみの持ち帰りにご協力お願いします。」                                              

                                                                     

ゴミ袋は需要があり、約100枚用意したものが全て無くなりました。                                                 

                                                                       

 また、同時進行で砂防新道、観光新道、別当出合園地の3箇所で清掃活動を行いました。別当出合園地を清掃して歩いていると、ちらほらとごみがありました。拾って、またしばらくして同じ所を通るとまたごみが・・というふうに、人が歩いた後には何かしら落ちていたのは残念でした。

 白山はゴミが無いと言われます。それはごみの持ち帰りが徹底されているということと、地元の方や関係者の方、白山が大好きな方が清掃しているからなのだと改めて知っていただきたいと思います。                                        

                                                                         

 ちなみに、今回の清掃で回収したごみは5.4㎏でした。だいたいどういったゴミが多いのかは経験上分かっていましたが、これを機に集計しようということで、後日回収したゴミを全部ひっくり返して数を数えました。

その結果、1番多いのは容器包装プラスチック(287個)でした。その中でも特に多いのは飴の包装(223個)でした。その他、薬の包装(6個)やプラスチックのキャップ(5個)などがあり、おもしろいことにソーセージのフィルムの開封部分(12個)も多かったです。これは落としやすいのがよくわかりますね・・・。

【ソーセージのフィルム】          【飴などの包装】

                                                                          

 その他布類はタオル(13枚)、手袋(9個)、パーカーの落とし物もありました。輪ゴム(28個)もあり、きっとお弁当についていたものでしょう。                                                           

                                                                     

 こうして改めてごみを見てみると、故意に捨てられたものはほとんど無いようで、強いて言えばタバコ(32個)くらいでした。梅干しの種(4個)もありました。

 飴などの包装ゴミはポケットに入れて何かの拍子に落ちたのでしょうし、手袋やタオルは休憩の時に置いてそのまま忘れてしまったのでしょう。その他、髪ゴムや登山靴の底、ティッシュ、お守り・・・ごみとなってしまった過程が目に浮かびます。

 休憩から出発する時は自分の周囲を確認するなどして、ゴミを落としてしまわないよう気をつけようと私自身も強く思いました。ほんの少しの手間でだいぶきれいになるはずです。きれいな白山を守っていきましょう!