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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

五味池破風高原も秋の気配

2015年08月28日
志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

長野県須坂市の「五味池破風高原(ごみいけはふこうげん)」は県下最大規模のレンゲツツジの群落が有名です。レンゲツツジの見どころの標高の低い所は約1,500m、標高の高い所は約1,800mです。8月27日は高原一帯を管理されている地元の方と歩きました。


<早くも咲いているリンドウ(エゾリンドウ)がありました。多くのものは右側の株のように、まだつぼみです。>

<エゾリンドウの群生地。花の見頃は9月上旬から中旬、まもなくです。>

さて、五味池破風高原では、レンゲツツジが単木状になるように、周囲の植物(主にササ)を刈払う作業が行われています。

ここは最近まで牧場として牛が放牧されており、牛はレンゲツツジを食べず、周囲の植物を食べていたので、レンゲツツジが単木状に生える景色が維持されていました。しかし、牛の放牧が休止されると、周囲の植物の生長によりレンゲツツジが埋もれ、レンゲツツジの樹勢と群落の見た目が悪くなってきました。

そこで、人がレンゲツツジに悪い影響を与える周囲の植物の刈払いを行っています。

<周囲のササを刈払って、レンゲツツジを単木状にしている。レンゲツツジの花の見頃は6月中旬から6月下旬です。>

五味池破風高原には、リンドウ群生地やレンゲツツジ群落の他にも、見どころがあり、その一つがウラジロモミの林です。この林の奥には幹の周囲が約5mのモミ(西五味池のモミの木:市指定天然記念物)があるそうです。

また、五味池というのは1つの池ではなく、次の5つの池の総称です。大池(おおいけ)、苦池(にがいけ)、西五味池、よし河原池、東五味池(消滅)。

下の写真は大池で、池の奥にはレンゲツツジの群落があります。花の咲く時期を想像すると、水面にも花の色が映ってきれいだろうなと思います。

今回はガスがかかっていたので写真を撮れませんでしたが、北アルプスや北信五岳、長野市街の眺めが素晴らしいそうです。

また、紅葉は、標高の高いところは10月上旬です。五味池破風高原へのアクセス道路沿いも紅葉が見事だそうです。アクセス道路は山の中を通るカーブの多い道です。お気をつけてお出かけください。