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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

ウミガメ調査

2015年07月31日
志摩 アクティブレンジャー 半田俊彦

志摩自然保護官事務所では平成17年度から

鳥羽市の離島と南伊勢町の一部の海岸において

アカウミガメの上陸・産卵状況の調査を行っています。

先日、南伊勢町での調査に同行させていただいたので

その様子を報告します。

 

南伊勢町では2箇所の海岸で調査を行っていますが、

どちらも車を止めてから1時間程度山道を歩いたところに海岸があります。

そのうち1箇所は美しい海跡湖のある海岸で、

海跡湖の周囲にはハマナツメという樹木が生育しています。

 

ハマナツメは根元が水につかるような場所に生育することから

「半マングローブ植物」と呼ばれています。

この海跡湖には台風などの時には海水が入り込んできます。

 

海岸に近い場所では、残念なことに大量の漂着ゴミが

ハマナツメの根元を埋めていました。

このゴミは収集しても搬出が困難な場所であるため、

処理できずに困っています。

 

夜間にアカウミガメが上陸すると、

砂浜にはキャタピラーのような足跡が残ります。

調査ではこの足跡を見つけて、

ウミガメが砂を掘ったり埋めたりした痕跡から

産卵の有無を判断して調査を行います。

この上陸跡では産卵はしていませんでした。

 

この上陸跡には親ガメが産卵巣を隠蔽した痕跡が明瞭にあり、

産卵をしていると判断されました。

この場所は台風の時などに流出してしまう可能性が高いので

安全な場所に卵を移植することになりました。

 

アカウミガメの卵はまさにピンポン球と同じような

大きさと色と形をしています。

この産卵巣では105個の卵が確認されました。

 

無事にふ化することを祈りながら砂を埋め戻し、

移植した産卵巣の位置を記録します。

ふ化が終了した頃に再び調査を行う予定です。

 

この海岸では高波による卵の流出だけでなく、

動物による食害も発生しています。

無事にふ化して海へ出た子ガメが大きくなって戻ってきた時に、

伊勢志摩国立公園の海岸が良い環境であり続けられるように

守っていきたいと思いました。

 

 

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