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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

春爛漫の上高地です。

2015年05月27日
中部山岳国立公園 アクティブレンジャー 松尾野里子

春爛漫の上高地です。

上高地の春の風物詩であるニリンソウが見頃を迎えています。


ニリンソウは一箇所から2輪の花が咲くので二輪草ですが、中には3~4輪の花を咲かさせる個体や、通常5枚の萼(花びらにみえるもの)が多い花では10枚以上になる個体もあります。

さらに、見つけると幸せになれるかもしれない、『ミドリニリンソウ』と呼ばれる萼が緑色の個体も見ることができます。今年は、今までと違うところで、このミドリニリンソウを発見し、ちょっと幸せ気分で撮影しました。


ミドリニリンソウ(この中に5つ咲いています)


他にも足もとの花が増えてきて、タチツボスミレ、ラショウモンカズラ、エゾムラサキの紫色系や、キケマン、キジムシロ、ネコノメソウの仲間などの黄色系、シロバナエンレイソウやミヤマカタバミなどの白色系と、色とりどりの花が賑やかです。また、次は私と言わんばかりに、蕾を膨らませている種類も多くなっています。


今咲いている花たち


さらに、目線をあげると上高地の地名にもなっている小梨(ズミ)の花はもう少しで見頃となりそうですし、猫のしっぽのように花が咲くウワミズザクラなども準備万端のようで、外歩きが楽しくなってきました。


コナシ(ズミ)の花     ウワミズザクラの蕾


そんな中、皆様に気持ち良く楽しんでいただくため、地元や関係者で構成された「上高地を美しくする会」の清掃活動が開始しました。今年で52年となる活動ですが、今日は初期からのメンバーにお話しを聞く機会があり、長い歴史を感じ続けていくことと、育てていくことの重要さを感じました。(活動の紹介は長くなりそうなので、またの機会に。)


活動開始の集合と清掃の様子


「美しい景色の上高地はゴミもないキレイ場所であるべき」と頑張ってきた結果を受け継げるよう、今年も頑張っていきます。


それから、6月7日(日)はウエストン祭が開催されます。

日本アルプスを世界に紹介したウエストン氏を称えてのお祭りです。

その前日6日(土)は記念山行として上高地の古道(島々谷から徳本峠を経て明神へ至る道)を歩きます。どなたでも参加出来る行事で、毎年200人以上が歩き、1年で最もこの道が賑わう日でもあります。


総距離20km以上ですが、上高地の歴史に思いを馳せつつ、ウエストン氏が感涙したという穂高連峰の景観を眺めると、その苦労も"なんのその"です。


安全に歩いていただけるよう、2日には古道の整備に参加してきます。