中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

磯の生物観察

2015年04月22日
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

春は日中に海の潮が大きく引く日が多く、

磯の生き物観察には最適な時期です。

 
4月19日に予定されていた横山ビジターセンターの自然観察会

「磯の生き物観察会」は雨で中止になってしまいましたが、

下見や調査で訪れた志摩市志摩町の磯の生き物を紹介します。

ここは特に海藻が多く、

貝の仲間であるウミウシ類が多く観察できました。

 

アオウミウシやシロウミウシは3cm程度の大きさですが

そのカラフルな色彩からよく目立ちます。

クロシタナシウミウシは7cmくらいの大きさがあり

活発に動き回ります。

ムカデミノウミウシはエラ突起がびっしりと並ぶ

独特の姿で、大きさは6cmくらいでした。

アメフラシも巻き貝の仲間で、ウミウシよりも大型です。

ウミウシやアメフラシは日本では「牛」ですが、

外国では「ウサギ」にたとえられるそうです。

タツナミガイも15cmくらいの大きさがあるアメフラシの仲間ですが、

ほとんど動き回らずに「やわらかい岩」のような印象です。

ミスガイは貝殻を背負っていますが、

体を全て貝殻の中にしまうことは出来ません。

メリベウミウシという独特の形をしたウミウシもいました。

 

ホンヤドカリは触角が縞模様をしていますが、

ケアシホンヤドカリは触角が赤色で、

脚に長い毛がびっしりと生えています。

ヤツデヒトデはその名の通り腕が8本あります。

ケヤリムシはゴカイの仲間で、

花が咲くように広がったエラの様子が美しいです。

 
他にもたくさんの生き物がみられましたが、

今回はほんの一部を紹介させていただきました。

 

磯遊びの際には必ず潮位を確認すること、

波浪注意報などが出ている時には海に近づかないこと、

また、観察した生物は生きたまま戻すようにしてください。

特に伊勢志摩の海では海藻や貝類が

海女さんの重要な漁業資源になっています。

美しく豊かな里海を守れるように協力してくださいね。