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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

◆潮だまり観察会を開催しました。

2014年11月25日
名古屋
 11月22日(土)にラムサール条約湿地藤前干潟にある
「藤前活動センター」で潮だまり観察会を開催しました。

 三連休の初日となったこの日は、秋晴れで気温も高く、
最高の観察会日和となりました。当日は約30名の参加があり、
参加した親子の大半は藤前干潟を訪れるのが初めてでした。


【主催者あいさつ】

 「潮だまりに住んでいるカニ」が今回の観察会のテーマで、
藤前干潟の潮だまりにはどのようなカニが暮らしているのか
観察してみようという内容でした。
 
 プログラムの冒頭で行われたカニ○×クイズでは、
「カニの足は全部で何本ある?」「カニの♂♀の違いは?」等の
問題が出題されました。多くの皆さんは足の本数で悩んで
いましたが、詳しい解説を受けると納得しているようでした。



【カニのクイズ】

 クイズの後、いよいよ藤前干潟に向けて出発です。
子供達はバケツを持ってこれから出会えるカニに大変
興奮している様子でした。



【藤前干潟に向けて出発】

 まず、堤防の上から干潟を見渡すと水際で何やら
小さな生きものが動く姿が見えました。望遠鏡で覗い
てみると・・そこには細長い目が特徴のヤマトオサガニが
たくさん群がっていました。この日は暖かかったので
巣穴から出て、盛んに餌を食べている様子が観察されました。


【堤防の上からカニを観察】

 その後、潮だまりに到着すると、一見いろんな大きさの
石や岩がゴロゴロ落ちているだけでカニの姿は見当たりません。
そこで石や岩の下を探してみると、タカノケフサイソガニが
たくさん隠れていました。



【潮だまりで観察】

 また、堤防の上に設置されている土盛りでは、
直径2~3cm程の巣穴がたくさん空いているのを発見しました。
一つだけ失礼して掘り返してみました。すると、中から黒い
カニが慌てて飛び出してきました。クロベンケイガニです。
このカニは潮だまりで見つけたカニよりも一回り体が大きく
足に毛がたくさん生えていました。



【巣穴に潜んでいたクロベンケイガニ】

 この日は、タカノケフサイソガニ、ヤマトオサガニ、
クロベンケイガニの3種のカニが見つかりました。参加者は現地で
捕れたカニをセンターに持ち帰って体の特徴や動きをよく観察して
いました。


【観察会で見つかったカニ】

 皆さんはカニの♂♀の違いや爪の毛の特徴を
興味深そうに観察している様子でした。さらに、
スタッフがカニの種によって住んでいる場所が違い、
それぞれの種が棲み分けているとの詳しい説明がありました。


【カニ類の住み分けについて解説】

 子供達は潮だまりでカニとたっぷりとふれあい、
満足そうに帰って行きました。今回の観察会で「カニ」は
皆さんの人気者であることを改めて感じました。これからの
季節は藤前干潟で見られるカニの数は少なくなりますが、
カモ類を中心とした鳥類は干潟周辺でたくさん観察できますので
是非、藤前干潟に足を運んでみてはいかがでしょうか。