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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

南岳歩道調査

2014年10月22日
上高地
7月末に南岳へ登山道調査を行いましたが、10月2日~3日にもう一度南岳へ行ってきました。グリーンワーカー事業で補修した登山道の様子を確認するためです。

グリーンワーカー事業は、地域の自然や状況をよく知っている地元の団体に自然環境保全活動を実施していただき、国立公園の管理のグレードアップを図ろうという事業です。
上高地地域では、登山道の簡易補修を山小屋に実施していただいています。

今年のグリーンワーカー事業では、槍ヶ岳から穂高連峰に向かう登山道のうち、南岳小屋から大キレット入口の荒廃している箇所の補修を実施しました。

その様子を見てみます。
南岳から大キレットへは、途中岩稜の急な斜面をジグザグに降りていきます。下の写真は上から見下ろした写真なのですが、7月の様子ではかなり荒れていました。


2014年7月29日撮影


そして下の写真は急斜面を降りて下から見上げた写真です。土が流れ出ないように土留めの丸太が配置されているのですが、老朽化によりその丸太が抜け落ちたり、留めている丸太の下の部分から、石が流れてしまっていました。また、道の上に小さな石も多く、滑りやすい状態になっていました。



2014年7月29日撮影

このような状況でしたので、壊れた土留めを取り除き、まだ使える丸太と新しい丸太で土留めを作り直しました。また、ステップになる石を置いて傾斜を緩くするなどして、登山者が歩きやすくする補修が行われました。
下は補修後の写真です。まずは補修した登山道を上から見下ろしたものから。



2014年10月2日撮影

そして斜面を降りて下から見上げたものは下の写真です。道がきれいになっているのがわかりますでしょうか。
歩いてみると、以前と全く違います。安心して下まで降りていくことができました。このように山小屋の道直しのプロにかかると見違えるようにきれいになるのです。


2014年10月2日撮影

あまり知られていないことなのかもしれませんが、登山道では雨水等による沿線の侵食防止(表土や植生保護)等のため、関係者が登山道の補修に努めています。登山道を歩く際は、道から外れて植生を荒らしたり、道を荒らすような歩き方をすることがないようにお願いいたします。

横尾から南岳にかけての槍沢沿いの道は色づきが進んでいました。この日から20日ほどたった現在では、紅葉は上高地まで降りています。現在は上高地周辺が見頃となっています。是非お越しください。





ババ平付近より、東鎌尾根方面 10月2日撮影



色づく槍沢と西岳 10月2日撮影



天狗池 10月2日撮影