中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

*外来植物一斉除去作業*

2014年09月17日
白山
9/6・7、白山室堂にて外来植物の一斉除去作業が行われました。
石川県自然保護センターと環白山保護利用管理協会が主催しているもので、ボランティアを募集し外来植物の除去作業を行います。今年は天候に恵まれ、小さな子どもから大人まで約70人もの参加者が集まり除去活動に取り組みました!


【オリエンテーションの様子】

【恒例の記念撮影】


外来植物問題については、以前の石徹白清掃登山の記事で少し触れました。
白山では海外から入ってきたものや、高山には生育しない国内由来の低地性の植物も外来植物としています。もともとは白山に生息しなかったものですので、増えてしまうと
①景観が変わってしまう
②在来種の生息場所を奪う
③在来種と交雑し雑種を作る
などの問題があります。室堂周辺でもこの外来植物は多くみられますが、数人で除去しようなんてとんでもなく大変!そんなわけでたくさんの人の力をかりて一斉に作業を行います。

室堂で除去するのはスズメノカタビラとアカミタンポポの二種。
違いはわかりますか?

右上の葉と似ていますが、柔らかくておいしそうなのがスズメノカタビラ


外来植物のアカミタンポポ、ギザギザした葉が特徴です。左は在来種のミヤマタンポポ

判別&除去の仕方を教わったら早速作業をします。


【黙々と作業中】

私も初めての除去作業でしたが、アカミタンポポは相当苦戦しました。根っこがとても長いので途中でちぎれないよう慎重に掘り進めるのですが、集中力が切れたとたんプチンとちぎれてしまいました。来年また生えてくるかもしれません・・・。

そしてただ除去するだけでは面白みにかけるので、スズメノカタビラは背丈の長さ、アカミタンポポは根っこの長さを競い、3位までの入賞者には記念品が贈られました。
参加者の中には白山は初めてという方もいらっしゃいました。ありがたいです!いつも楽しませてくれる白山、登るだけで無くこうして貢献できるといつもより楽しいですし、充実感も得られます。皆さん本当に楽しそうでした。

ちなみに今回の除去作業でスズメノカタビラは2.9㎏、アカミタンポポは8.4㎏除去できたそうです。一気に駆除することはできませんので、こうした地道な活動を続けていくことにより、外来植物の無い本来の白山に戻る日がいつか来るといいですね。

今週末の20・21日は南竜ヶ馬場で外来植物除去作業をしますので、興味のある方は是非ご参加ください。
お問い合わせは白山自然保護センターまで↓
TEL:076-255-5321

★おまけ★

【左上】イブキトラノオ【左下】ミヤマアキノキリンソウ【右】ミヤマコウゾリナ
寒い中でもまだ咲いているお花たち。朝露に濡れた姿も幻想的で綺麗です。また違った世界を楽しめますね。