アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
海辺の植物を知ろう
2014年07月24日
志摩
7月19日に自然観察会「海辺の植物を知ろう」を行いました。
伊勢志摩国立公園のパークボランティアは、昨年度から海岸の植物調査を実施しており、その成果をふまえての開催です。
当日、朝から強い雷雨に見舞われ、ほぼ誰もが中止を予想しましたが、観察会を実施した志摩市志摩町の「広の浜」では、なぜか雨が降らず無事に催行することが出来ました。
広の浜は太平洋に面した延長約2kmの海岸で、とても豊かな植物群落が発達しています。
また、アカウミガメの産卵地やシロチドリなど海鳥の繁殖地としても重要な場所で、5月1日~10月31日までは車両等の乗り入れを規制しています。
はじめに海辺の砂浜に生育する植物(海浜植物)の特徴を、触ったり、においをかいだりしながら観察しました。
海浜植物は、海からの強い風や移動する砂、高温や乾燥に対応するためのいろいろな工夫を持っており、実際に触れてみるとそれがよくわかりました。
ハマユウは伊勢志摩国立公園を代表する花の一つと言えます。今はちょうど花の見頃で、ほんのり甘い香りがしました。
ケカモノハシは1つの丸い穂に見えますが、指で押すと半分に分かれ、2つの穂がぴったりとくっついているのがわかりました。2つに分かれた穂の形がカモのくちばしに似ているのが名前の由来です。全体にたくさん生えている毛は乾燥と潮風への対処に役立っています。
ハマゴウは一面に生育しており、紫色の花がちょうど満開でした。葉をちぎってにおいをかぐと、ユーカリに似たようなとても良い香りがしました。暑さを忘れさせてくれる涼やかな香りで、果実を枕に入れると安眠作用があるそうです。
砂を掘ってみるとさ、らにおもしろい特徴がわかります。
ハマボウフウは葉が刺身のつまとして利用されているだけでなく、根は生薬の一種「防風」の代用としても利用される植物です。太い根が50cm以上の深さまで伸びていました。
ハマヒルガオは小さな葉がまばらに砂の上に見えているだけでしたが、掘ってみると太い地下茎で全部がつながっていました。
コウボウムギも太い地下茎で広くつながっていましたが、更に深く地中へと伸びており、また砂中の水分を吸収するための細かい根も広がっていました。
コウボウムギの名前は、この地下茎にある古い繊維が集まると筆のようになるところから、筆と言えば弘法大師、という由来だそうです。
ハマアザミは葉に鋭いとげが有り、掘るのに苦労をしました。太い根が地中深くに伸びており、少しだけ切ってにおいをかいでみるとゴボウのような香りがしました。この根は食べることが出来て、浜牛蒡(ハマゴボウ)の別名があるそうです。
砂中深くに根を伸ばしたり、地下茎に栄養や水分を蓄えることで、砂上の厳しい環境にも耐えることが出来るのです。
また、植物が生えていることで砂の温度上昇が適度におさえられたり、風で砂が移動するのをやわらげる役割もあるのです。
プログラムの後半では、コウボウムギの雄花穂を筆に使って作品をつくりました(写真の赤い丸で示したのが雄花穂、青い丸が雌花穂です)。
形はそのままで小さな筆のようですが、先端のコシがなく、使うにはやや技術がいるようです。
絵の得意なボランティアさんからコツを指導してもらい、思い思いに絵や書などの作品をつくりました。
さすがに弘法大師のように「筆を選ばず」とはいかなかったようです。
この観察会では海浜植物だけでなく、アカウミガメが産卵した痕跡を観察したり、砂浜にくらす昆虫を見つけて観察したり、砂の温度を測ってみたりもしました。
海岸の砂浜は生物がくらすには厳しい環境ですが、海浜植物が生育することによって、昆虫や海鳥がくらし、ウミガメが産卵できる環境が成立していることもわかりました。
伊勢志摩国立公園のパークボランティアは、昨年度から海岸の植物調査を実施しており、その成果をふまえての開催です。
当日、朝から強い雷雨に見舞われ、ほぼ誰もが中止を予想しましたが、観察会を実施した志摩市志摩町の「広の浜」では、なぜか雨が降らず無事に催行することが出来ました。
広の浜は太平洋に面した延長約2kmの海岸で、とても豊かな植物群落が発達しています。
また、アカウミガメの産卵地やシロチドリなど海鳥の繁殖地としても重要な場所で、5月1日~10月31日までは車両等の乗り入れを規制しています。
はじめに海辺の砂浜に生育する植物(海浜植物)の特徴を、触ったり、においをかいだりしながら観察しました。
海浜植物は、海からの強い風や移動する砂、高温や乾燥に対応するためのいろいろな工夫を持っており、実際に触れてみるとそれがよくわかりました。
ハマユウは伊勢志摩国立公園を代表する花の一つと言えます。今はちょうど花の見頃で、ほんのり甘い香りがしました。
ケカモノハシは1つの丸い穂に見えますが、指で押すと半分に分かれ、2つの穂がぴったりとくっついているのがわかりました。2つに分かれた穂の形がカモのくちばしに似ているのが名前の由来です。全体にたくさん生えている毛は乾燥と潮風への対処に役立っています。
ハマゴウは一面に生育しており、紫色の花がちょうど満開でした。葉をちぎってにおいをかぐと、ユーカリに似たようなとても良い香りがしました。暑さを忘れさせてくれる涼やかな香りで、果実を枕に入れると安眠作用があるそうです。
砂を掘ってみるとさ、らにおもしろい特徴がわかります。
ハマボウフウは葉が刺身のつまとして利用されているだけでなく、根は生薬の一種「防風」の代用としても利用される植物です。太い根が50cm以上の深さまで伸びていました。
ハマヒルガオは小さな葉がまばらに砂の上に見えているだけでしたが、掘ってみると太い地下茎で全部がつながっていました。
コウボウムギも太い地下茎で広くつながっていましたが、更に深く地中へと伸びており、また砂中の水分を吸収するための細かい根も広がっていました。
コウボウムギの名前は、この地下茎にある古い繊維が集まると筆のようになるところから、筆と言えば弘法大師、という由来だそうです。
ハマアザミは葉に鋭いとげが有り、掘るのに苦労をしました。太い根が地中深くに伸びており、少しだけ切ってにおいをかいでみるとゴボウのような香りがしました。この根は食べることが出来て、浜牛蒡(ハマゴボウ)の別名があるそうです。
砂中深くに根を伸ばしたり、地下茎に栄養や水分を蓄えることで、砂上の厳しい環境にも耐えることが出来るのです。
また、植物が生えていることで砂の温度上昇が適度におさえられたり、風で砂が移動するのをやわらげる役割もあるのです。
プログラムの後半では、コウボウムギの雄花穂を筆に使って作品をつくりました(写真の赤い丸で示したのが雄花穂、青い丸が雌花穂です)。
形はそのままで小さな筆のようですが、先端のコシがなく、使うにはやや技術がいるようです。
絵の得意なボランティアさんからコツを指導してもらい、思い思いに絵や書などの作品をつくりました。
さすがに弘法大師のように「筆を選ばず」とはいかなかったようです。
この観察会では海浜植物だけでなく、アカウミガメが産卵した痕跡を観察したり、砂浜にくらす昆虫を見つけて観察したり、砂の温度を測ってみたりもしました。
海岸の砂浜は生物がくらすには厳しい環境ですが、海浜植物が生育することによって、昆虫や海鳥がくらし、ウミガメが産卵できる環境が成立していることもわかりました。