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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

*ミチノクフクジュソウ保全活動*

2014年04月16日
白山
はじめまして。
今月1日付けで着任しました小島永莉子(コジマエリコ)と申します。

幼い頃から白山は身近で、憧れの存在でした。
そんな白山に関わることができて、わくわくしています♪

前任の世良さんが残してくださった多くのことを発展させて、より良い活動をしたいと思います。また、白山国立公園の魅力をこまめに発信していきますので、よろしくお願いします。

さて、15日に小原ECOプロジェクト主催のミチノクフクジュソウ保全活動が行われました。白山国立公園内の福井県勝山市北谷町にある小原地区にはミチノクフクジュソウが自生しており、保全区となっています。ミチノクフクジュソウは環境省のレッドデータで、将来的に絶滅するおそれのある準絶滅危惧種に指定されています。そんな希少種を地域住民と児童たちが協力して保全に取り組むことで、個体数を増やし、地域資源や自然への関心・地域住民のつながりを強くすることを目的とした活動です。今年で4年目を迎えるそうです。


今回は平成26年度第1回目ということで、勝山市立村岡小学校の児童たちを対象に、ミチノクフクジュソウの開花観察会が行われました。児童たちの見守り役として私も参加してきました。嬉しいことに快晴で過ごしやすいお天気でした。



ミチノクフクジュソウ、綺麗に咲いていました♪
光沢のある花びらと羽毛のような形の葉が特徴的です。

観察会の内容は花の観察・開花数の調査・スケッチなど。残念ながら私の担当した班の活動場所は日当たりがあまり良くないのか、つぼみばかりでした。それでも日が上がるにつれ少しずつですが、花が開いていく様子を観察できました。そしてみんな元気良く取り組み、思い思いの絵を描いていました。そんな姿を見て私も元気をたくさんわけてもらいました!



花の中心と周りの温度を測定する子供たち。
この時は中心が約2℃高くなっていました。


ミチノクフクジュソウは太陽の動きに合わせて向きを変えるという性質があります。花びらがパラボラアンテナのような役割をして、太陽に向けて開くことで効果的に熱を集め、花の中心温度をあげます。こうして外気より暖かい場所を作り出すことによって、暖を求める虫たちが集まり、受粉を助けてもらっているのだそうです。お花のベッド、気持ち良さそうです。観察中も花の中心で休んでいるハチを見つけましたが、カメラを向けると逃げてしまいました・・・。


ミチノクフクジュソウは今見頃を迎えています。可愛いくも力強く咲いている様子は、見ていると温かい気持ちになります。観察される場合はマナーを守り、柵の内側に入らず、優しく見守ってください。地域の人々の努力によって守られている希少な植物を、盗掘といった心無い行為で絶滅させてしまってはいけません。これからもずっと守っていき、後世の人々に変わらぬ光景を見てもらいたいですね。



最後に全員で清掃をしました。保全区内だけでこれだけのゴミが・・・。
これらは自然に帰ることはありません。各自がポイ捨てなどしないよう意識をもって行動しなければなりません。