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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

コマクサの検討会と自然観察会(告知)

2014年01月30日
白山
☆コマクサ検討会開催
「白山国立公園にあるコマクサは外来植物です。」と環境省が皆さんに発表し、調査及び除去を開始してから3年が経ちました。
1月29日に、その報告を含めた今後の方針について検討会を開催しました。

【検討会の様子】

「高山植物の女王」と呼ばれるコマクサですが、調査の結果、本来は白山に自然分布せず、人為的に持ち込まれたものという結論に至っています。平成23年度からは調査と並行して、除去を実施しており、成果を上げています。
今回の検討会では、全て除去し終わるまで相当な年月を要する事が専門家によって指摘され、一度人の手によって改変された生態系を回復することの難しさをよく理解することができました。

話は変わりますが、白山には一度白山で絶滅したライチョウが1羽生息しています。

【白山のライチョウ】

最近、ライチョウの研究者である信州大学の中村浩志先生の本を読む機会がありました。
本の中では、昔のライチョウに関する記録が紹介されており、古くは正治2年(西暦1200年)に、「しら山の松の木の木陰にかくろひてやすらにすめるらいの鳥かな」という句が詠まれていたそうです。また、江戸時代には、加賀藩が白山と富山県のライチョウを保護した記録もあるそうです。私は白山の自然について800年も前からの記録があることに、深い感銘を受けました。

一方で、白山にコマクサが自生していたという記録は過去の文献にありません。さらに、遺伝子解析でも、白山のコマクサは市販のものか、乗鞍岳に由来するものであることが分かっています。遥か遠い未来の人たちが、白山のコマクサが、実は人為的に植えられたものであることを知ったら、どのように思うでしょうか。

自然本来の景観や生態系を守るため、平成18年から、国立公園や国定公園の特別保護地域、原生自然環境保全地域では、植物の植栽や種まき、動物を放すことが、法律で禁止されるようになりました。
「自然のままの白山」を将来世代に引き継いでいくため、動植物の持ち込みが行われないことを切に願います。

【コマクサ】


☆自然観察会の告知
白山自然保護官事務所主催で、自然観察会を行います。
大人の方も是非、お子さんと一緒に参加してください。詳細は以下のとおりです。

↓↓↓↓
「白山 水を巡る旅~スノーシューで冬の森へ」


 スノーシューをはいて白山国立公園の冬の森の中へ出かけ、様々な生き物を育む白山の水の循環や生態系への理解を深め、自然の面白さを学びます。
 開催日時:平成26年2月22日(土)9:30~14:30(受付は9:00から)
 集合・解散場所:白山国立公園センター(石川県白山市白峰)
定員・対象:20名(保護者を含めて)※申込み先着順
       対象は小学4年生から中学3年生 
 開催場所:白山市白峰 みどりの村周辺
 費用:100円(傷害保険代等)
 参加申込・問合せ先:白山自然保護官事務所(TEL:076-259-2902)

詳しくはコチラ ⇒ /to_2014/0124b.html