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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

☆真冬の干潟☆

2014年01月23日
名古屋
寒い日が続きますね。
藤前干潟にも冷たい風が吹きつけております。

干潟に目をやるとカモたちが寒そうに身を寄せ合っていました。



【汀線に集まるカモたち】

 この寒さの中、夏にたくさん見られた干潟の生き物たちは
どこにいるのでしょうか。
 巡視に併せて干潟で生き物を探してみました。

 干潟に足を踏み入れると、生き物の気配がありません。。
石をめくってみます。すると・・・


【石の下で身を潜めるタカノケフサイソガニ】

いました!タカノケフサイソガニです。
彼らも寒いのか集団で身を寄せあってジッとしていました。
刺激を与えても逃げようとせず、足先までピーンと伸ばして
硬直していました。

周辺の泥を掘り返していると・・


【姿を現したヤマトシジミ】

 泥の深い部分から干潟の黒い宝石「ヤマトシジミ」が
姿を現しました。彼らも地中深くで、寒さを凌いでいたのでしょう。



【ソトオリガイの貝殻】

 こちらの白い二枚貝はソトオリガイです。
藤前干潟では豊富に見られるのですが、
この日は貝殻のみで生体は確認することができませんでした。

 ヨシ原の転石の下にはオオユビアカベンケイガニが
潜んでいました。こちらも簡単に捕まってしまうほど
ゆったりとした動きでヨシ原に逃げて行きました。



【慌てて逃げようとするオオユビアカベンケイガニ】



【干潟に残されたカモの足跡】

 干潟にはご覧の通りカモの足跡がたくさんあるのですが、
エサとなる生き物が石の下や泥の深い場所に避難しているため、
鳥たちはエサをゲットするのが難しそうです。



【庄内川左岸に広がる広大なヨシ原】



【風に揺れるヨシの穂】

 夏には青々としていたヨシ原も現在はご覧の通り薄茶色へと
変色しています。風で揺れるヨシ原は柔らかな印象を受けました。

 冬の干潟は夏ほど生き物の活気は感じられませんが、
冬の藤前干潟でしみじみとした風情も楽しんでみてはいかがでしょうか。