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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

干潟の跳ぶ魚~トビハゼ~

2013年11月08日
名古屋
以前お知らせした観察会「カニのすみかに行ってみよう!」
11月4日に開催されました。

【冬直前の干潟に入って生き物を探しました】

当日はとても風が強かったのですが、
チゴガニ、ベンケイガニ、ヤマトオサガニなどのカニや、
ヤマトシジミ、ソトオリガイなどの貝をみつけることができました。

【チゴガニやコメツキガニの行動を静かに観察中・・・】

さらに、今回の観察会では干潟のシンボルとも呼ばれる
「トビハゼ」をみつけることもできました。
今日の日記は、このトビハゼについて少しだけご紹介します。

トビハゼは、頭の上の方についた大きな眼と
ぽてっとした大きな頬が特徴のハゼの仲間です。

【大きな眼とほっぺたがチャームポイント!】

腹びれも特徴的で、この腹びれで石などにぴたっとくっつきます。

【垂直な面でも滑りません】

このトビハゼ、魚なのに水中よりも陸上生活に適応しており、
干潟の泥の上で生活しています。
トビハゼは皮膚呼吸を行う能力が非常に高く、
陸上でも生きていけるのです。

さらに、名前の通り、トビハゼは魚なのに跳ぶことができます。
水の上をピョンピョンと連続して跳んで、陸地に上がってきます。


【尾びれを上手に使ってジャンプ!(9月18日撮影)】

このように姿も行動も魅力的なトビハゼですが・・・、
実は、生息数が減っており、
環境省のレッドリストの準絶滅危惧種(※)に指定されています。
全国の多くの干潟が埋め立てられて消失したため、
トビハゼの生息場所が激減してしまったのが大きな原因です。
(※現時点での絶滅危険度は小さいが、
生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種。)

今年も立冬を過ぎ、本格的に寒くなってきました。
観察会で見られたカニもトビハゼも、冬ごもりを始めたようで
ほとんど姿をみかけなくなりました。
(トビハゼは泥の中の穴に潜って冬を越します。)
来年の春、また同じ場所で
多くのトビハゼやカニが見られるのを願っています。


【枯れたヨシ原と干潟】