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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

上高地の外来植物対策

2013年10月18日
上高地
稜線から少しずつ紅葉帯が下がり、上高地でもカラマツをはじめ枝葉の色づきが増し、日ごとに秋の深まり、忍び寄る冬の気配が濃くなりつつある上高地です。





秋が深まるにつれ、草花の冬支度も始まり、今年の外来植物の除去も終盤となりました。
今年も昨年に引き続き、沢山の方々にご協力いただき外来植物の除去を行うことができました。一部区間では、どこを向いても視界に入った植物が「探さなければ見えなくなった…」なんて感想をいただけるほどに、対策を進めることができました。



主たる活動者として、上高地パークボランティアは12回457㎏の除去活動を。




ウェストン園地にて草をかき分け、度重なる除去で小さく目立たなくなった外来植物を探しながら抜いています。ボランティアさんの眼は、空港の金属探知機さながら外来植物探知機と化していて、3cmにも満たない葉さえも見つけだしてしまいます。


そのほかにも、雨天のなかでの除去となった上高地を美しくする会の活動もありました。






山岳域への拡散防止に橫尾山荘・ネイチャーガイドの皆さんが眼を光らせ、







林野庁のGSS(グリーンサポートスタッフ)さんには、巡視を兼ねて広範囲での活動にご尽力いただいています。

また、ボランティア活動として毎年活動してくれている立教大学に加え、今年はインターンシップやゼミ活動として千葉大学や関西学院大学の学生さんも参加してくれました。
 



さらに、上高地の維持管理に携わる工事業者さんが松本砂防事務所の呼びかけで、大勢集まり、除去していただきました。




それから、上高地内の各施設でも敷地内、周辺の外来植物の除去を進めてくださり、本格的な対策を始めて2年でだいぶ進んだのではないかと思っています。

とはいえ、見逃された個体や取り残された根、こぼれ落ちた種子、埋土種子(埋まって発芽を待っている種子)などまだまだ伏兵は多く、息の長い活動が必要となります。

来年も引き続き、平成24年の調査時(下記に結果掲載)よりも少しでも減少させられるよう活動していきたいと思います。


【お知らせ】平成24年度中部山岳国立公園上高地地域外来植物分布調査結果等について
https://chubu.env.go.jp/nagano/to_2013/0725a.htm