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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

秋の北アルプスの稜線を歩く ~船窪岳、烏帽子岳~

2013年09月30日
後立山
こんにちは、北アルプス後立山地区からです。
長野県大町市と富山県富山市にまたがる、船窪岳(ふなくぼだけ)、烏帽子岳(えぼしだけ)付近の標高約2,500mの稜線は紅葉が始まっています。


<船窪岳第2ピーク(2,459m峰)への上り。写っているのは自然保護官。>


<烏帽子岳付近>

9月24日から26日の2泊3日で、七倉→船窪岳→烏帽子岳→高瀬ダム→七倉というルートを歩きました。山小屋の方々が苦心して歩道の整備をされていることがよく分かりました。
歩道(登山道)については、船窪小屋のテント場付近から南沢岳(みなみさわだけ)の区間は特に足元に注意して歩くことが必要だと感じました。この区間はピークがいくつかあり、その上り下りは急傾斜です。その上、花崗岩が風化してザレた状態の場所、ハシゴやロープの付いた場所、やせた尾根などがあるためです。
しかし、これがこのコースの醍醐味の一つだと思うので、楽しみながら十分に注意して歩いてください。


<船窪小屋テント場付近のハシゴ。写っているのは船窪小屋の小屋番の方と自然保護官。下りてみるとこの写真で感じるほど急ではない。>


<両側が崩れ馬の背のようにやせた尾根。ロープは付いているが、足元がザレている。>


<崩壊地の上端を通る箇所。植生の左側の濃くなっているところが踏み跡。ロープ等はない。ここに限らずザレた場所では下る時により注意が必要になる。>


なお、紅葉の時期の北アルプスの稜線は、夏山の続きではなく、冬山に準じた季節です。いつ降雪があっても不思議ではありません。入念な準備をし、現地では慎重に判断して山行をお楽しみください。



<不動岳付近より立山、劔岳(写真奥)を望むがピークは雲の中。水面は黒部湖。手前の色づいた木々の見える尾根がルートで、山肌が白いのは崩壊のため。>