中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

歩道調査その1 「横尾~槍ヶ岳~北穂高岳」編

2013年08月19日
上高地
8月に入りやっとで天候が安定し、上高地は北アルプスの槍穂高岳を目指す人で賑わっています。
今回のAR日記は上高地自然保護官事務所管内の登山道調査の状況と、登山道の状況を報告します。

まず登山道調査ですが、登山道の状況を確認します。
例えば、豪雨などで登山道が荒廃していないか。危険箇所がないか。山小屋や野営場は適切に使用されているか。そして山小屋などからの情報収集を行います。

今回のルートは
上高地→横尾→槍沢→槍ヶ岳→大キレット→北穂高岳→涸沢岳→奥穂高岳→
前穂高岳→岳沢→上高地
という、槍穂高岳連峰の登山者に特に人気のあるルートの調査を行いました。
人気があるので、登山道の状況も適切に把握しておく必要があります。

■横尾-槍ヶ岳間
・槍沢と一ノ俣沢が合流点より少し上流側の斜面が、今年6月の豪雨により崩れました。
登山道は確保してありますが、写真を見ての通り非常に落石の危険があります。上方に注意し速やかに通過してください。


<一ノ俣沢手前の危険箇所:速やかに通過してください>
・また、水俣乗越分岐手前では、これもまた6月の豪雨時の増水で登山道が崩落しています。迂回路が上部にありますが、滑りやすいので注意してください。
・一部雪渓が残っています。「雪がある!」と雪渓の下へ潜ったり、滑って遊んだりしないでくださいね。
・その他は大きな問題は無く、ひたすらに槍ヶ岳を目指して登ることになります。


<槍ヶ岳を見ながらのひたすら登る:ペースを乱さないように>

■槍ヶ岳~南岳間
・槍ヶ岳山頂へはハシゴ&鎖の連続になります。決して無理をしないでください。また、時期によっては山頂まで渋滞を起こしますので、譲り合いながら通行してください。
・槍ヶ岳~南岳の間は一部、ザレている箇所があります。晴れていれば、進行方向に穂高岳の山塊が立ちはだかります!


<いよいよ大キレット:向こうには穂高連峰の山塊>

■南岳~北穂高岳(大キレット)
・緊張感が強いられる登山道になります。高い所があまり好きではない自分は笑うしかありませんでした(笑)
・危険箇所には鎖やハシゴが付けられています。確実に足場を確保し、3点支持で通過してください。
・また、落石の危険がありますので、ヘルメットの着用をお願いします!


<キレット核心部:しっかりと足場を確保して進む村上レンジャー>

<北穂高岳より:夕方、雲海に浮かぶ槍ヶ岳>

歩道調査その2では「北穂高岳~奥穂高岳~岳沢~上高地」編を書きたいと思います。