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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

二枚貝のマジック!

2013年08月15日
名古屋
毎年この時期に藤前干潟で行っている「夏休み!干潟観察会」が
8月8日に開催されました。

【夏の干潟で生き物を探しました】

今年の観察会のテーマは昨年に引き続き、「二枚貝」。
干潟に入り、参加者の皆さんでたくさんの二枚貝を探しました。

この日、みつかった二枚貝は、
ヤマトシジミ、ソトオリガイ、オキシジミ、マガキの4種類でした。

【みつけた二枚貝(ヤマトシジミ・ソトオリガイ・オキシジミ)】

今回は、さらに、干潟で探してきた二枚貝の能力を知るための
「マジック(実験)」を行いました。

*二枚貝のマジックの方法*

【①二枚貝と泥水をビーカーに入れます】

【②箱の中などの暗いところにビーカーを置いて、そっと待ちます】

二枚貝と泥水をビーカーに入れて、待つこと20分余り・・・。
結果は以下のようになりました。

【マジック(実験)の結果(※各ビーカーに入っている二枚貝は同数ではありません。)】

ヤマトシジミやソトオリガイの入ったビーカーの水が
かなり透明になっているのが分かりますか?

これが、二枚貝の力です。
二枚貝は、水の中に混じっている有機物を餌としています。
水を吸って、餌となる有機物などを濾し取って、
きれいな水を出す、ということを繰り返しています。

【マジック直後は、ヤマトシジミの水管がよく観察できました】

この二枚貝によって、干潟や海の水が浄化され、
他の生き物が住みよい環境が作られます。
二枚貝って一見地味だけれど、すごいヤツなんですよ!

実は、干潟で貝を探しながら、
「二枚貝ってカニとは違って動かないし、
固く閉じた貝殻の中に入っていてよく見えないし、
何だかあまりおもしろくない・・・」と
思っていた子どもたちもいました。

でも、このマジック(実験)を見て、びっくり!
一転、二枚貝に興味を持ってくれました。
二枚貝の浄化能力については、昨年の観察会では言葉だけの説明だったのですが、
今年は、実際に見ることによって、理解がより深まったようです。

干潟には、二枚貝のように地味だけれどおもしろい生き物がたくさんいます。
また、干潟に生き物に会いに来てほしいと思います。

【干潟は楽しい!!】