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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

第三回藤前干潟マイスター講座を開催しました

2013年08月01日
名古屋
 名古屋自然保護官事務所では、藤前干潟が
2012年11月にラムサール条約登録10周年を
迎えたことを記念して、藤前干潟の歴史や生物、
環境に関する講座「藤前干潟マイスター講座」を
全5回開催しています。「藤前干潟マイスター講座のご案内」

 第三回藤前干潟マイスター講座を稲永ビジターセンターで
開催しました。今回の講座テーマは「あなたにもできる!
身近な環境活動」です。
 多くの生き物たちが暮らすこの藤前干潟で生じている
環境問題と、問題解決に向けた活動を紹介し、問題の把握と
環境活動への興味を持つきっかけを作ることを目的として実施しました。



【講義の様子】

 藤前干潟で生じている大きな問題は、「漂着ゴミ」
「不法投棄」「水質環境」などであり、これらは生き物の
生息に多大な影響を及ぼすことを説明しました。
 
 特に漂着ゴミは、ヨシ原を中心に多量に打ち上げられ、
その中には生物に影響のあるプラスティック片などの
微細ゴミや釣り糸、釣り針などが含まれていることを
説明しました。ヨシ原に多量に押し寄せた漂着ゴミの写真を見て、
皆さん大変驚いている様子でした。
 
 これらのゴミはやがて海へと流出し、海獣や海亀類が
誤ってゴミを食べてしまうなど干潟だけではなく、
遠く離れた海の生物にも影響を与える恐れがあることを伝えました。



【ヨシ原に押し寄せる漂着ゴミ】

 美しい水環境を取り戻すために藤前干潟クリーン大作戦を
はじめとする清掃活動や鳥獣保護区域内のゴミの分布状況を
把握する調査も実施していることを紹介し、藤前干潟周辺で
取り組まれている環境活動について知ってもらいました。

 水質環境については、貧酸素水塊形成の過程や赤潮や
青潮が発生する仕組みを分かりやすいイラストで紹介しました。

 講座の途中で、センター前を流れる庄内川に移動して
実際にゴミが護岸付近に漂着している様子を観察してもらいました。
また、庄内川の水質を知るために、簡単な水質検査キットを用いて
皆さんと一緒にCOD(化学的酸素要求量)を調べました。






【パックテスト(COD)で水質検査】

 講義の最後には、これらの環境問題について、
私たちができることの例をいくつか紹介し、環境問題に関心を持ち、
できることからはじめることが大切であることを伝えました。

 この講座を通して少しでも身近な環境問題に関心を持って
いただけたかと思います。

★次回のマイスター講座のお知らせ
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第四回藤前干潟マイスター講座「藤前野鳥倶楽部」
日時:9月29日(日)10:00~12:00
内容:藤前干潟に飛来する鳥の見分け方や生態の面白さ、
   貴重さ、飛来状況などを説明し、観察も行います。
場所:稲永ビジターセンター
申込方法:9月19日(木)までに名古屋自然保護官事務所へ
     電話または電子メールでお申し込み下さい。
※受講には、保険料として200円をいただきます。(小中学生は100円)
詳しくは「藤前干潟マイスター講座のご案内」をご覧下さい。