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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

登山者カウンターのデータ回収と解析

2013年07月08日
志賀高原
こんにちは、志賀高原からです。
今年度も登山者カウンターを苗場山の祓川登山口(新潟県南魚沼郡湯沢町)に設置しました。
そして、先日、その第1回目のデータ回収を行いました。


登山者カウンターとは、歩道(登山道)の脇に設置し、機器の前を通る人数を自動でカウントするものです。
ここでは2機種の登山者カウンターを設置しています。1つは手前右にある背の高いもの(以後、機種Aという)、もう一つは、その奥の木道の両側に向かい合わせの黒い箱型のもの(以後、機種Bという)です。機種Aは入山者と下山者を区別してカウントできるものです。

余談ですが、右奥にお椀を伏せた形で白いものが見えます。何だと思いますか? 答えはこの日記の末尾で。


話を戻して、登山者カウンターのデータですが、
設置から3週間後のカウント総数は、機種Aは3,039(内訳は入山775、下山2,264)、機種Bは1,553という値でした。
どうしてこんなに違うのだろうかというデータがとれていました。このように総数が違っても、日ごとの値を精査するとおおよそ正しい値がみえてくるのは、これまでの経験で分かっているのですが、これだけ値が違うと不安です。

精査した結果は次のとおりです。
下の図は機種Bの今回と前年同期の利用者数のグラフです。


・土曜日と日曜日に利用者数が増えている
・利用者数は最大300名程度
・前年同期と同じような動向をしている
という傾向がみられました。このことから、機種Bは正常に動いており、値はおおよそ正しいのだろうと判断しました。

では、機種Aのデータはどうだったのかというと、センサーに問題があるのか、データを記録媒体に書き込む時にエラーが起こっているのか、芳しくないデータでした。機器の交換が必要と感じました。

今回のデータ回収について、2機種を設置したことで、一方が異常でも他方が正常に稼働していたため欠測を避けることができたのは幸いでした。しかし、機種Aについて設置前に機器の状態の確認不足であったことは今後注意すべきことです。

さて、最後にご協力のお願いです。
登山者カウンターがあると気になるかもしれませんが、機器の前で立ち止まると誤カウントの原因となるので、機器の前も普通に歩いて通過してください。また、機器に触れないでください。また、ストックを立てかけるのにちょうどよい高さと形のようですが、これも誤カウントの原因となるのでやめてください。ご協力お願いいたします。


余談の続き。答えは「雪」です。ここの標高は約1,370mですが、5月下旬まで営業していたスキー場の敷地内です。固められた雪が解けにくいことが分かります。