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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

第二回藤前干潟マイスター講座を実施しました。

2013年07月04日
名古屋
 名古屋自然保護官事務所では、藤前干潟が
2012年11月にラムサール条約登録10周年を
迎えたことを記念して、藤前干潟の歴史や生物、
環境に関する講座「藤前干潟マイスター講座」を
全5回開催しています。「藤前干潟マイスター講座のご案内」

 先月、講座第二弾である「藤前カニカニ倶楽部」を
実施しました。
 今回の講座内容はズバリ「カニ」です。
干潟にはゴカイや貝をはじめとする多くの底生生物が
生息していますが、その中でも特に目立つ存在がカニです。
干潟に生息する生き物に興味関心を高めてもらうために
カニ類を取り上げ、その種類や面白い生態等を紹介しました。



 講座当日は、家族連れから高齢者の方まで
幅広い年代層の方々が参加され、愛知県外から
お越しになられたグループもいらっしゃいました。
今回の講座は募集定員が設定されており、申込締切日
までに定員に達してしまいました。たくさんのお申し込み
ありがとうございました。


【講義の様子】

 講義では、カニとはどのような生き物なのか?
世界にはどれだけのカニが存在するのか?など
カニに関する基本的な情報から調理例まで、徹底的に
カニの魅力について紹介しました。藤前では見ることが
できない色鮮やかでトロピカルなカニやカモフラージュ
するカニなど、多様なカニ達を写真で紹介すると皆さんは
興味深そうに見ておられました。

 レクチャー室での講義の後は、稲永公園前干潟に移動して
野外観察会を行いました。
 現地では、チゴガニやコメツキガニの採餌行動やWaving行動を
静かに観察し、彼らが何を食べているのか?どのような意味があるのか
解説しました。皆さんは、カニ達が同じリズムでダンスしていることや、
種によって住んでいる環境が違うことに気づき、夢中になって
観察していました。


【ヨシ原に住むカニを紹介】
 

【チゴガニの行動を観察する】

 干潟のいろんな場所で多くのカニ類を採集してもらい、
得られた種の形態的特徴や生態を解説しました。
皆さんは、「干潟にこれほどたくさんのカニが住んでいるとは
思わなかった」、「写真で見るより体が小さい」、
「足の毛がすごい!」、「よく観察すると愛嬌がある」
と話しておりました。


【干潟でカニを探す参加者】

フィールド観察に役立てていただけるように、
藤前干潟に生息するカニ類を網羅したお手製図鑑や
生息環境の違いを分かりやすく図説した資料を作成し、
皆さんに配布しました。

【オリジナル図鑑】


【カニの特徴を解説】


【捕らえられたアシハラガニ】

 講義終了後もカニに関する疑問を解決しようと、
たくさん質問をいただきました。
 心配していた天気もこの日は回復し、充実した講座と
なりました。2時間という短い講座でしたが、カニの魅力を
たっぷりお伝えできたかと思います。

★次回の藤前干潟マイスター講座のお知らせです。
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第三回 藤前干潟マイスター講座
「あなたにもできる!身近な環境活動」
日時:7月27日(土)10:00~12:00
内容:藤前干潟で生じている環境問題と、問題解決に向けた
   活動を紹介し、環境活動とはどういうものかを考えます。
場所:稲永ビジターセンター
申込方法:事前申込不要(当日、稲永ビジターセンターで受付)
募集人数:制限なし
受講料:無料
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