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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

妙高山整備登山

2013年06月28日
妙高
 昨年に引き続き、6月の中旬、自然保護官とともに妙高市の主催する妙高山整備登山に参加しました。

 この整備登山はグリーンシーズンを迎える前に行われるもので、毎年雪害によって傷んでいるところがでてきてしまうため、実際に妙高山周辺の各登山道の現場を5班にわかれて確認するとともに、その場で対応できるものは修繕を済ませてしまおうというものです。

 5班中3班が早朝の燕温泉に集合し、妙高市の方から説明を受けた後それぞれのルートの点検に出発です。

 私たちのグループは、妙高市、警察署、地元ボランティアの皆さんの合計8名構成で、通称「湯道」から「川原」、「称名滝・光明滝」を通って「胸突き八丁」を越え、「天狗堂」に至るルートを担当しました。

 霧の中、標高1,100mほどの燕温泉を出発し、残雪の残るコンクリート作業道を上って行きます。

 上下併せて落差100m弱の光明滝・称名滝の横を通り、



 背丈ほども残る雪壁の脇を通って沢を渡り、



 道幅の狭くなった登山道への恐怖心を感じさせないほど美しい、
アカモノとイワカガミの群落やシラネアオイ、マイヅルソウなどの花々に癒やされながら、



 小さな祠が祀ってある標高1,930mの「天狗堂」まで、残雪や濡れて滑る足下に注意しつつ点検しながら約2時間半で登り、霧雨が降る中一旦休憩。



 登りで確認した手当ての必要な箇所を、グループの皆さんと協力して手当てしながら、燕温泉まで無事に戻ってきました。今回は軽アイゼンを持っていきましたが、何回も活躍してくれて大助かりでした。

 下りの最後「湯道」に入る頃には、前日までのカラカラ天気が嘘のような、強い雨脚となり、整備には不向きな1日となってしまいましたが、作業自体は比較的しっかりこなすことができました。
 この3年間は怪我などもあって実際の整備まで十分なお手伝いができず心苦しく感じてきましたが、ようやく今年、少しはお役に立てたのではないかと胸をなでおろしています。また、毎年のこととは言え、皆さんのご努力と体力には、ただただ頭が下がるばかりです。

 その後の約10日間は梅雨らしい天候が続いていますが気温の低い日もあるため、「湯道分岐」から「胸突き八丁」あたりまではまだ残雪が多く残っていると思います。
 また、この時期は突然の豪雨に見舞われる場合もありますし、残雪や低温の可能性も十分考えられます。比較的低い山にお出かけの場合でも、山歩きの際は、周辺の気象情報や装備に十分に気を配り、現地の情報を事前によく集めて頂くことで、事故の無い、楽しい登山を心がけて頂きたいと思いますし、楽しみながら国立公園の魅力を思う存分味わって頂きたいと思います。

 「雨の中、山に出かけるのはちょっと…」とお考えの皆様には、6月末から約1ヶ月の予定で、糸魚川市フォッサマグナミュージアムにて長野自然環境事務所・糸魚川ジオパーク協議会共催の特別展「特設 アクティブ・レンジャー国立公園写真展」も開催予定となっております。

 写真展は無料となっておりますので(フォッサマグナミュージアム展示室等のご観覧は有料となっております。)、お近くにお越しの際は是非足をお運び頂き、長野自然環境事務所管内の国立公園の様子と環境省の取り組み、国立公園とジオパークの関係等についてゆっくりとご覧頂ければ幸いです。

 特別展に関する詳しい情報は、
糸魚川ジオパーク協議会(担当:糸魚川市交流観光課ジオパーク推進室 電話:025-552-1511)
までお問合せ頂くか、
環境省長野自然環境事務所(担当:妙高高原自然保護官事務所 電話:0255-86-2441)
までお問合せください。