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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

藤前干潟に飛来した白い鳥

2013年06月04日
名古屋
 今まで干潟を賑わせてくれたシギ、チドリ類は
北の繁殖地へと旅立ち、藤前干潟はすっかり寂しくなりました。
しかし、干潟に足を踏み入れると、カニや貝類をはじめとする
干潟の泥に住む生き物たちが活発に行動している様子を観察する
ことができます。

 干潟の上空では、白い体の鳥が甲高い鳴き声を出しながら
集団で飛行している様子が観察されました。


【現在の藤前干潟】

 黒い頭と黄色いくちばしが特徴のこの鳥は
コアジサシというカモメの仲間です。毎年この時期になると、
繁殖のために藤前干潟にやってきます。川の上でホバリング
(空中停止)して魚に狙いを定めると、川の中へ一直線に
ダイビングする姿は迫力があります。獲物の採捕に失敗しても
諦めずに魚をゲットするまで何度もダイビングを繰り返します。


【黒い頭と黄色のくちばしが特徴】


【コアジサシの飛翔】

 捕らえた魚を確認すると全長5cm程度のボラの子どもでした。
ボラは水面付近で群れをなして行動していることが多く、
コアジサシにとって捕まえやすいのでしょうか。


【コアジサシの群れ】

 庄内川河口干潟では、コアジサシの雄が捕らえた魚を
雌にプレゼントする行動(求愛給餌)が観察されました。
魚を咥えたこの雄は、残念なことに雌に受け入れられなかったようでした。


【魚をメスにプレゼントするオス】

 稲永ビジターセンターでは、現在、コアジサシの生態を
パネルや模型を使って、分かりやすく説明した「コアジサシ展」が
開催されています。また、今週末に稲永ビジターセンターにて、
コアジサシの興味深い生態の紹介や野外での観察を行う
「コアジサシ・ウォッチング」が開催されるので、是非お越し下さい。

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中部地方環境事務所 藤前干潟を守る会 共催
「コアジサシ・ウォッチング」
【日時】6月9日(日)13:30~15:30
【場所】稲永ビジターセンター 
【定員】20名
【参加費】大人200円、小中学生100円、幼児無料
お申込先:稲永ビジターセンター TEL 052-389-5821   
開館時間:9:00~16:30
休館日:毎週月曜日、第3水曜日
入館料:無料
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