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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

徳本峠 登山道整備 

2013年05月29日
上高地
上高地・乗鞍ARの佐々木です。今回は登山道整備です。
5月の半ばを過ぎ、上高地もやっとで緑が芽吹いてきました。
現在、明神地区ではニリンソウが見頃になっています。


<写真:明神地区のニリンソウ。早朝なので花びらを閉じています。>

かつて、松本市(島々)から上高地へ入るメインルートだった徳本峠を通る登山道は、杣人(そまびと:林業に携わる人)が利用し、ウォルター・ウエストンも何度も歩いた登山道ですが、利用者の減少と平成18年の豪雨災害によって荒廃が目立つようになっていました。

歴史のあるこの登山道を守ろうと、数年前から本格的な登山シーズンが始まる前の時期に関係行政機関や地域関係者、山小屋が登山道の点検・補修を実施しています。

今年は残雪が多いため、明神地区→徳本峠間の半分くらいは雪渓を直登でした。登る際は落石や雪の状態に注意が必要です。


<写真:明神地区から徳本峠方面の雪渓状況。今年は残雪が多い。落石などへの注意が必要です。>

いよいよ作業の開始です。今年は倒木が目立ちました。大きなモミの木(ウラジロモミ)が登山道に横たわっていましたが、みんなで力を合わせて撤去しました。


<写真:登山道に倒れた倒木の処理風景>

また、雪崩で破損した木橋の架け替え、崩落箇所の迂回路の設置等も行いました。
登山道は山とその道を愛する人々の想いで維持されていると改めて感じました。
皆さまも、かつての上高地へのメインルートを歩いてみてはいかがでしょうか。