アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
「藤前干潟ふれあいデー」が開催されました(ミニシンポジウム編)
2012年11月29日
名古屋
11月17日(土)、18日(日)の2日間で毎年恒例の「藤前干潟ふれあいデー2012」が稲永ビジターセンターと藤前活動センターの両センターで開催されました。
藤前干潟がラムサール登録されてから10周年を迎えるにあたり、その記念式典やミニシンポジウムも同時に行うなど、いつもとは違ったふれあいデーとなりました。
藤前干潟ラムサール条約登録10周年記念ミニシンポジウムでは、「藤前干潟の過去・現在・未来を考える ~藤前干潟の次の10年に向けて~」というテーマで、大学関係者の方や名古屋市、NPOの方々をパネリストとしてお迎えして、藤前干潟への想いや未来への展望について語って頂きました。
シンポジウムの冒頭では、名古屋おもてなし武将隊の家康殿が特別参加し、藤前干潟の歴史を語ってくれました。
【ミニシンポジウムの様子】
【名古屋おもてなし武将隊が藤前の歴史を語る】
次に、藤前干潟の漁業権が放棄されるまで漁師をされていた名古屋最後の漁師である犬飼一夫氏にお話を伺い、その当時の様子をご紹介していただきました。犬飼氏によると、今から5~60年ほど前は、藤前干潟や名古屋港周辺では漁業が盛んに行われていたようで、藤前はハマグリや牡蠣、海苔まで獲れる豊かな海だったことを再認識しました。
【藤前干潟で行われていた牡蠣養殖】
【藤前干潟で行われていた貝採り漁】
「藤前干潟を守る会」は、藤前干潟埋め立ての話が出た頃から、調査活動やデモ、シンポジウムを開催するなど、干潟の保全を訴える活動を展開してきたことを紹介されました。当時は、小さな市民団体に出来ることは限られており、資金的にも人的にも厳しい状況だったそうです。藤前干潟のラムサール条約登録が実現し、藤前の保全が周囲に知られるようになり、多くの人が訪れるようになりましたが、藤前が保全されたからと言って、全てがうまくいっているわけではないことを強く意識するようになったそうです。
藤前を保全することの意義を訴えていくことは重要ですが、それだけでなく水域全体を含めて保全しなければならないと考えておられました。
地元行政として名古屋市は、生物多様性というテーマの象徴的な場所が藤前干潟であるというイメージが今後も続くように努力したいと話されました。
「クリーン大作戦実行委員会」は、藤前干潟を、子供達が安心して遊べる水辺を目指し、さらに、伊勢湾へのゴミの流出防衛の最前線として藤前地区のゴミ清掃活動に取り組んでいることを紹介されました。市民団体が中心となり、企業・行政・地域住民を巻き込みながら、参加者を増やし、藤前干潟のみならず伊勢湾入り口の三重県鳥羽市答志島の海岸清掃を行うなど、上流から下流へと広域的な連携をしていることが紹介され、伊勢湾全体を見据えた大変意義のある活動であると実感しました。
【秋の藤前干潟クリーン大作戦の様子】
【答志島 奈佐の浜清掃の様子】
学識者の視点から見た藤前干潟の魅力について、名古屋大学の山下博美氏にお話を伺うと、干潟は地味なイメージを持つ方が多いですが、実際に干潟に立ち入るといつまでもいたくなるような魅力があると話されました。また、藤前干潟という場所が生態的にすばらしいだけでなく、環境学習の場としても最適であり、保全活動に関わる人の努力があることを忘れないでほしいと話されました。
学生さんの立場から見た藤前干潟の課題について、岐阜大学の近藤美麻氏にお話し下さいました。近藤氏はガタレンジャー(干潟案内人)の一人であり、就職や進学などで限られた時間内に、次の世代へと繋げていくためには何ができるのか、これから考えていかなくてはならないと話されました。
パネルディスカッションでは、藤前干潟の向かうべき方向性は「広域連携」「人と生き物の絆」「共同」というところに集約されました。そして、これらを実現していくために、藤前干潟の次の10年に向けたスローガンを決定しました。
【藤前干潟 次の10年に向けたスローガン】
このスローガンのもと、藤前干潟の次の10年に向けて、皆さんと一緒に干潟の保全や普及啓発活動等に力を注ぎたいと思います。
藤前干潟がラムサール登録されてから10周年を迎えるにあたり、その記念式典やミニシンポジウムも同時に行うなど、いつもとは違ったふれあいデーとなりました。
藤前干潟ラムサール条約登録10周年記念ミニシンポジウムでは、「藤前干潟の過去・現在・未来を考える ~藤前干潟の次の10年に向けて~」というテーマで、大学関係者の方や名古屋市、NPOの方々をパネリストとしてお迎えして、藤前干潟への想いや未来への展望について語って頂きました。
シンポジウムの冒頭では、名古屋おもてなし武将隊の家康殿が特別参加し、藤前干潟の歴史を語ってくれました。
【ミニシンポジウムの様子】
【名古屋おもてなし武将隊が藤前の歴史を語る】
次に、藤前干潟の漁業権が放棄されるまで漁師をされていた名古屋最後の漁師である犬飼一夫氏にお話を伺い、その当時の様子をご紹介していただきました。犬飼氏によると、今から5~60年ほど前は、藤前干潟や名古屋港周辺では漁業が盛んに行われていたようで、藤前はハマグリや牡蠣、海苔まで獲れる豊かな海だったことを再認識しました。
【藤前干潟で行われていた牡蠣養殖】
【藤前干潟で行われていた貝採り漁】
「藤前干潟を守る会」は、藤前干潟埋め立ての話が出た頃から、調査活動やデモ、シンポジウムを開催するなど、干潟の保全を訴える活動を展開してきたことを紹介されました。当時は、小さな市民団体に出来ることは限られており、資金的にも人的にも厳しい状況だったそうです。藤前干潟のラムサール条約登録が実現し、藤前の保全が周囲に知られるようになり、多くの人が訪れるようになりましたが、藤前が保全されたからと言って、全てがうまくいっているわけではないことを強く意識するようになったそうです。
藤前を保全することの意義を訴えていくことは重要ですが、それだけでなく水域全体を含めて保全しなければならないと考えておられました。
地元行政として名古屋市は、生物多様性というテーマの象徴的な場所が藤前干潟であるというイメージが今後も続くように努力したいと話されました。
「クリーン大作戦実行委員会」は、藤前干潟を、子供達が安心して遊べる水辺を目指し、さらに、伊勢湾へのゴミの流出防衛の最前線として藤前地区のゴミ清掃活動に取り組んでいることを紹介されました。市民団体が中心となり、企業・行政・地域住民を巻き込みながら、参加者を増やし、藤前干潟のみならず伊勢湾入り口の三重県鳥羽市答志島の海岸清掃を行うなど、上流から下流へと広域的な連携をしていることが紹介され、伊勢湾全体を見据えた大変意義のある活動であると実感しました。
【秋の藤前干潟クリーン大作戦の様子】
【答志島 奈佐の浜清掃の様子】
学識者の視点から見た藤前干潟の魅力について、名古屋大学の山下博美氏にお話を伺うと、干潟は地味なイメージを持つ方が多いですが、実際に干潟に立ち入るといつまでもいたくなるような魅力があると話されました。また、藤前干潟という場所が生態的にすばらしいだけでなく、環境学習の場としても最適であり、保全活動に関わる人の努力があることを忘れないでほしいと話されました。
学生さんの立場から見た藤前干潟の課題について、岐阜大学の近藤美麻氏にお話し下さいました。近藤氏はガタレンジャー(干潟案内人)の一人であり、就職や進学などで限られた時間内に、次の世代へと繋げていくためには何ができるのか、これから考えていかなくてはならないと話されました。
パネルディスカッションでは、藤前干潟の向かうべき方向性は「広域連携」「人と生き物の絆」「共同」というところに集約されました。そして、これらを実現していくために、藤前干潟の次の10年に向けたスローガンを決定しました。
【藤前干潟 次の10年に向けたスローガン】
このスローガンのもと、藤前干潟の次の10年に向けて、皆さんと一緒に干潟の保全や普及啓発活動等に力を注ぎたいと思います。