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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

山の上は色付き始めました

2012年09月28日
後立山
こんにちは、北アルプス後立山からです。
今回は長野県大町市にある餓鬼岳(がきだけ)です。餓鬼岳ではグリーンワーカー事業で登山道維持管理を行っており、その実施状況の確認のために行きました。

では、グリーンワーカー事業とは?
環境省が実施する事業で、国立公園の保全管理上の問題を解決するため、地域の自然をよく知った地域の団体等に、地域の実情に対応した迅速できめ細やかな自然環境保全作業を行っていただき、国立公園の管理のグレードアップを図ることを目的に行う事業です。
餓鬼岳では、登山道に繁茂したササ等の刈り払い、歩道の補修といった登山道の維持管理作業を山小屋の属する団体にお願いしています。

餓鬼岳では次のような作業がなされていました。

<グリーンロープで進入を防止している方向に歩道があったが、ロープの先で地面が抜け落ちている。迂回のため左手のササを刈り通行が確保されていた。>


さて、歩道(登山道)の状況です。
餓鬼岳へは白沢登山口から入山しました。国立公園の境界は登山口ではなく、かなり上った大凪山からです。
国立公園内の歩道(大凪山~餓鬼岳小屋)については特に問題となる箇所は見られませんでした。登山口から大凪山までの道に比べ少しは足元がよくなりますが、急傾斜の道であることは変わりません。
白沢登山口から大凪山については気を抜けない道が続きます。落石に注意が必要なガレ場があります(自然に落ちてくる石に対しての注意も必要ですが、自分で落石を起こさないことも必要)。また、桟道・鎖場等滑落に注意が必要な箇所があります。この区間は国立公園外なのでグリーンワーカー事業ではありませんが、草刈りや桟道・鎖場等の整備がなされています。

紅葉については、山小屋の支配人によると、小屋付近では2、3日前から色付き始めたとのこと。今年はまだ氷点下になっていないので、良い紅葉になりそうだとおっしゃいていました。

これから紅葉はますます美しくなるのでしょう。でも、日が短くなり、また、凍結・降雪・積雪がある等、登山者にとって条件が悪くなります。
気を付けてお出かけください。


<小屋近くの色付いたダケカンバ>


<餓鬼岳山頂からの北アルプスの名だたる山々のパノラマ>
常念岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳、鷲羽岳、烏帽子岳、立山、劔岳、針ノ木岳等。
振り返れば、浅間山、八ヶ岳、富士山等も見えます。もちろん天気や雲の状態にもよりますが。