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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

笹ヶ峰ミニビジターセンターの展示更新と初秋の笹ヶ峰

2012年09月18日
妙高
 各種の環境省パークボランティア活動が目白押しの7月、8月は妙高高原自然保護官事務所にとっても、また、自分自身にとっても文字通り例年以上の「熱い夏」でした。

 「熱い夏」となったきっかけの一つは、「笹ヶ峰ミニビジターセンターの展示の充実」への取り組みでした。

 笹ヶ峰ミニビジターセンター館内の大きな常設コルクボードの一部を使った「自然紹介コーナー」は、前任のアクティブ・レンジャーが中心となって、「ビジターセンター周辺で出会った動植物を紹介することで妙高高原の豊かな自然に少しでも興味を持って頂こう」という思いのもとでスタートしたコーナーでした。

 昨年は一般の皆さんも参加して頂ける「笹ヶ峰のいきものたち」展示コーナーを新たに設けましたが、展示写真の更新は進めていませんでした。そこで、今年度は業務の合間で撮影した動植物の写真を追加展示することで、より多くの方に興味を持って頂けるようにしようと考えました。

 物も人手も限られた中での取り組みですから、とにかく工夫しかありません。
 まず、これまでの展示の一部を整理してスペースを確保するところから取りかかり、ポスターパネルに古いポスターの裏面を張り込むことで、まっさらなスペースを確保しました。
 次に、準備のできたパネルも活用して、平成20年度から今年度まで年度ごとに分けて写真を貼り込み、それぞれの写真の下部に撮影日とだいたいの撮影場所を表記、裏面に動植物の名前を書き込むことで、写真をめくると動植物の名前がわかるように掲示しました。こうして「めくってみてね」コーナーのリニューアルが完成しました。




 夏休みに入る前から作業を始めましたが、パークボランティア活動の運営と並行しての、一人コツコツ作業のため思うように進みません。それでも、8月初旬には何とか形にすることができました。
 珍しい生きものたちは決して多くありませんが、「笹ヶ峰や妙高高原でみかけるけど、なんて生きものかな?」という疑問に少しでも答えられたらとの思いで、取り組みました。

 後になって聞いた話ですが、親子連れの皆さんにわりと好評だったようで、苦労した甲斐がありました。写真は5月末から11月までの生きものたちを展示していますので、夏休み期間だけでなく、10月の閉館までにビジターセンターに訪れる多くの皆さんに楽しんで頂けたら嬉しいかぎりです。

 さて、そんな「熱い夏」も一段落した9月上旬、館内整理のため笹ヶ峰ビジターセンターに向かいました。

 道すがらまだ所々で鳴いているセミの声に夏を感じながら笹ヶ峰の牧場にさしかかると、シラカバの大看板前の草原で、




 一面のキンミズヒキが迎えてくれました。牧場内の立木に目をやると、巻き付いているツタウルシの葉も一部黄色に色づいてきています。

 ビジターセンターでの作業を終えて外にでると、オスをおんぶした大きな褐色型トノサマバッタのカップルを発見。追いかけられることがないせいでしょうか、近寄っても全く動じません。

 また、標高1300mの笹ヶ峰に避暑(?)に来ていたアキアカネも…




 赤みが強くなって、そろそろ低地に下りようかな、と考えているかのようでした。

 笹ヶ峰の生きものたちの変化から、厳しい残暑が続くなかでも少しずつ秋に向かっていることを実感することができます。

 これから妙高高原は秋の紅葉シーズンを迎えますが、その前に笹ヶ峰ビジターセンター周辺の環境省整備遊歩道の手入れをパークボランティアの皆さんとともに行うことで、より多くの方に安全に楽しんで頂けるよう準備を進めています。
 
 今後は各種の地域イベントも実施される予定ですので、多くの皆さんにお越し頂き、妙高高原の素晴らしい自然を直に感じて頂ければと考えています。

 地域のイベント等の詳しい情報は、
「妙高市観光協会」のホームページでご確認頂くか、
0255-86-3911
までお問い合わせください。