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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

干潟再生事業

2012年08月24日
志摩
22日(水)、英虞湾で取り組んでいる 「干潟再生事業」の調査に同行してきました。

~干潟再生事業とは?~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
英虞湾には、江戸時代以降70%以上の干潟が農地を確保するために
干拓され消失したという歴史があります。
そして、現在そのうちの85%以上は休耕地となっています。

「干潟再生事業」は、それらの干潟を復活させることで、
英虞湾全体の環境を改善しよう!と三重県、志摩市、環境省ら関係機関と
地域住民が連携して取り組む大きなプロジェクトなのです。

(※参考・・・三重県水産研究所ホームページ
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干潟を再生させるにはどうするか??
答えは、「水門を開放し、消失干潟に海水を入れる」。これだけです。

何か特殊なやり方があるのかな~?と思っていたのですが・・・
ただそれだけで、生きものたちが戻り豊かな干潟が再生されるのだそうです!
自然の力ってスゴイです。

この干潟再生事業、現在は三重県水産研究所が主体となって
2箇所で実施されていますが、今回調査したのは環境省が主体となって
干潟再生を実施していく予定の場所です。


【現場の様子】

今回は、海水を入れる前の底質と生きものなどを調査しました。
海水が入ることで、これからどれだけ変化が起こるのかを見ていくための
大切な最初の調査です。



【調査の様子】

海水を入れるだけ、といってもそこへ至るまでには、土地の所有者の割り出しや、
漁業者の方々への説明、関係者への許可申請などなど、たくさんの調整や事務手続きが必要です。
休耕地の所有者は亡くなっている方も多く、所有者を特定するのは骨の折れる大変な作業なのです。

そんな過程を経て、めでたく再生できることになったこの干潟。
水門を開放し、干潟再生をスタートさせるのは9月の予定です。
たくさんの生きものたちが戻ってくれば、豊かな英虞湾へまた一歩前進です♪

さて!!
9月1日(土)には、そんな再生干潟での観察会が行われますよ~!
この干潟再生事業の第一号となった場所です。
この2,3年で、生きものの種類も自然干潟と並ぶくらいにまで増えました!
干潟を再生させる自然の力、ぜひ体感しに来てくださいね!!


【いろんな生きものみつけてくださいね~♪】