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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

藤前干潟で見られる鳥~カワウ~

2012年08月15日
名古屋
まだまだ日中は暑いですが、立秋を過ぎて、
朝晩はわずかに涼しくなってきたような気がします。
夜になると、外でコオロギなども鳴き始め、
秋が近くなっていることを実感しています。

【橋の向こうでは入道雲が勢いよく発達中】

さて、今日は、藤前干潟で最も確実に見られる鳥であるカワウをご紹介します。

【ワタシがカワウです!】

【カモのように浮くのではなく、身体が半分沈んだような状態で泳ぎます】

このカワウは藤前干潟で年中見ることのできる鳥です。
大きな群れになることもあり、干潟の上が羽を休めているカワウで
一面真っ黒になることもあります。

【このままじ~っと羽を乾かします】

近年カワウが増えて、カワウの糞が樹木の立ち枯れやの原因になったり、
漁業に悪影響が生じたり、という被害が各地で生じています。
しかし、藤前干潟では今は漁業が行われていないことや、
カワウの大規模な営巣・繁殖は行われていないこと、
カワウの飛来数に顕著な増加が見られないことから、大きな問題にはなっていません。


【藤前干潟の鳥獣保護区にある唯一のカワウの営巣場所】

しかし、藤前干潟にはカワウの餌となる魚が豊富にいるようで、
弥富市などにねぐらを構えるカワウが、藤前干潟にはたくさんやってきます。
そして、ここ藤前干潟ではカワウたちの「追い込み漁」がよく見られ、藤前名物になっています。


数十羽のカワウが集まって、一定方向に泳いで魚を追い込み、
次々と潜って餌を捕らえる光景は、かなり迫力があります!
これを見たいがために藤前干潟にやって来るという人もいるくらいです。

【群れの後方にいるカワウは次々群れの前へ飛んで、追い込みます】

8月13日は、庄内川の岸のすぐ近くでこの追い込み漁が見られ、
カワウたちが餌を捕まえる瞬間も何回か見ることができました。

中にはアカエイを捕まえたカワウもいました。
この大きなエイをどのように食べるのかと、息をのんで見守ってしまいました。

【アカエイをゲット!!】

【難儀しながらも何とか飲み込む・・・】

藤前干潟では、何と!ウナギを捕まえているカワウもよく観察されます。
カワウもよくよく観察してみると、奥深くおもしろい鳥です。
いつもいる真っ黒い鳥、と終わらせないで、藤前干潟で彼らをみつけた際は
じっくり観察してみてくださいね。

【V字になって群れ飛ぶ姿】


~藤前干潟は2012年11月18日で、ラムサール条約登録10周年を迎えます~