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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

白山国立公園外来植物除去作業~白山スーパー林道~

2012年07月19日
白山
こんにちは。
昨日まで4日連続で山頂付近までを登り下りしており、シーズンが来たなと感じてる世良です。
高山での天然のクーラーという恵みを十分に受けていた分、下山すると涼しいはずの白峰でもとろけそうな程暑く感じます。
白峰で本当に暑いのは数えられるくらいの日数と、地元のどなたかが言っていましたが、その短い夏が過ぎてしまうと何となく寂しくなってしまうのも、白峰のような山岳地域で感じられるいいところなのかもしれませんね。

さてさて本題ですが、本日、関係者と協力して白山スーパー林道で外来植物除去作業を行ってきました。
白山スーパー林道は、車でも気軽に白山の広大なブナ原生林の雄大な景色を堪能できる場所です。
そんな白山スーパー林道でフランスギクと環境省で特定外来生物として指定しているオオハンゴンソウの除去を行いました。

ヨ-ロッパ原産のフランスギクは在来のイワギクとの交雑が心配されているため、除去を行っています。文献によると、根が残ると1株から数が増えてしまう可能性があるため、除去はこれ以上増やさないようフランスギクの花茎をハサミで切る方法をとっています。
生育範囲が大体6m×2mくらいなのですが、200本ほどのフランスギクを除去しました。

【フランスギク。小範囲の中でも大量にあります。】

その後、今年度からは、根絶に向けた試験研究として、防草シートを上から被せました。今後モニタリングを行い、効果を確かめます。

【設置中】


【設置後】

また場所を移動し、オオハンゴンソウの除去をしました。

【オオハンゴンソウ。8月過ぎに黄色いキレイな花を咲かせます】
オオハンゴンソウは根から抜くという単純な作業ですが、平成19年から地道な作業を粘り強く行った為か、過去は荷台トラックいっぱいになっていたものが、今年度は5.1キロ(ゴミ袋1つ)とかなり減少しているのが分かります。

外来生物の3大原則は「入れない、捨てない、広げない」です。
入れない・・外から持ち込まない。
捨てない・・飼っていた生きものを捨てない。
広げない・・野外にいる外来生物を広げない。

外来生物法という法律で「特定外来生物」に指定されている種類は、生態系に悪影響を与える可能性があると判断されたものであり、上記を破ると違反内容によっては非常に重い罰則もあります。

白山スーパー林道を訪ねてもらって、本来あるべきでない植物を見て「白山の自然っていいよね」という認識をしてもらうのではなく、本来の白山の自然を見てもらいたい!という思いが段々形となって、その成果が見え始めています。

この様な活動が活発になり、皆さんにも広く活動について知って頂きたい・・・。
しかしその反面、活動が活発になるということは、人間の手によって入った外来植物が、どんどんはびこって来てしまっているということになります。
このような活動が無くなることを願い、問題を引き起こしてしまった人の手で少しでも白山の自然のためにできることを一所懸命行っていきたいと思います。



【暑い中おつかれさまでした。】