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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

公園指定50周年記念観察会「白山 水を巡る旅」のお知らせ&実施報告

2012年06月18日
白山
おはようございます。

今年、僕がいる白山自然保護官事務所では、北陸地方の主だった川の水源であり、私たちの暮らしと生きものの命を育む白山の水に焦点を当て、白山国立公園内の水にかかわりのある場所を巡る観察会を5回開催します。

その第二回「白山 水を巡る旅~根倉谷園地で自然体験~」を今週末開催しますので、お知らせします。
日 時:平成24年6月23日(土) 8:30受付開始 ※雨天延期
問合せ:白山自然保護官事務所 076-259-2902
web↓↓
/pre_2012/0614a.html

22日10時まで募集中です。皆様のご参加をお待ちしております!

また、前回の日記で下見の報告をしましたが、自然観察会「白山 水を巡る旅~初夏の赤兎山・赤池湿原巡り~」を6月10日に行いました。

当日は、天候が悪い中、14名お集まりいただきました。
古くから使われている越前禅定道を歩き、霧の中で沢山の鳥類や高山植物に会えました。
既に山は夏の気配・・耳を澄ますとヤブサメやオオルリ、ホトトギスなどの夏鳥の声が聞こえました。
登山道はまだ残雪が残っていて、リュウキンカ等、雪解け後に咲く花が見られました。
地面が雪どけ後の春先の植物が咲いていましたが、空を飛んでいる鳥は夏の時期のもので・・近い場所でも環境の違いが現れていて面白いと思いました。

また、小原峠から赤兎山の間の登山道の稜線が、ちょうど手取川と九頭竜川の集水域の境界線になる(源流域にあたる)のを現地に立って体感してもらいました。
立山で言う大河川と言えば常願寺川ですね。
白山は、福井は九頭竜川、石川は手取川、岐阜は長良川、富山は庄川の
4県に大河川が流れ、水の恵みを与えています。

また、水繋がりで、何故、赤池湿原が重要視されているのか・・考えてもらいました。

【赤池にて解説・・トンボいなかったですねー】
ラムサール条約湿地って知っていますか?
石川県内だと片野鴨池がその湿地になります。
世界を股にかけた鳥類が、長い距離を移動する中継地点として重要な役割を果たしています。
スケールは小さいですが、池や水たまり等がある程度の間隔にあると、鳥類と違って、長距離の移動に労力がかかるであろう、トンボの様な昆虫の中継地点になります。
そして、この赤池が高層湿原と呼ばれ、高所で湿地を利用する昆虫たちの楽園になっているのです。
そして、カオジロトンボがこの赤池を分布の西限になっていて、彼らにとっても、学術的にも、とても重要な湿地になっています。
こんな話を聞きながら、赤池をもう一度見てみると、イメージが変わってくるかもしれないですね。
こんな小さな水たまりも、そんな大きな役割を果たしているんです。

白山国立公園50周年のフラッグ(標語)として以下が掲げられています。
「白山は 水と命の源 未来に引き継ぐ 私たちの宝」

生きものにとって水は必要不可欠です。

【サンショウウオも水が必要です】

「白山 水を巡る旅」よろしくお願いします。