アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
妙高高原の春
2012年04月27日
妙高
4月末の午前中、自然保護官に同行して、現場状況の確認のため笹ヶ峰キャンプ場に出かけました。
去年は4月18日でしたが、今年は一週間ほど遅れての確認となりました。そのせいでしょうか、昨年の現場確認時よりはいくぶん雪の量が少なく感じられました。
駐車場トイレの確認後、スノーシューを着用してキャンプセンターや笹ヶ峰ミニビジターセンター…
広いキャンプ場内のトイレ、炊事棟、看板などの各施設をひとつひとつ雪による被害などがないか確認して行きます。
7月のキャンプサイトオープン後に訪れる皆さんに、安全にそして安心して利用して頂くための大切な作業のひとつですが、あたりはまだ雪原ですので雪にうもれてチェックできない箇所もありました。また、スノーシューを付けていれば移動は楽ですがここのところの好天で融雪がすすみ、写真を見て頂ければわかるように建物の近くは屋根からの落雪がいつ起きてもおかしくない状況になっています。遠目には平らな雪原に見えていても大きな穴がぽっかり空いていたり、場所によっては下が空洞になってしまっている箇所がある可能性も考えられます。気を配りつつの調査となりました。
確認を済ませてミニビジターセンターに戻ってくると、雪の上に赤黒いものが落ちていました。拾いあげて見ると…
カメノコテントウでした。こんなに早い時期に出会ったことがなかったため、死んでいるのかな?と思いきや、裏返してみると、とたんに足をジタバタ!この日の暖かな日差しに誘われて出てきてしまったのでしょう。
しばらく手の中に入れていましたが、驚いたのか、青臭いニオイのする赤い汁を手に付けられてしまいました。甲に乗せると忙しく歩き回り、写真を撮るのも一苦労。そのうち淡く霞む笹ヶ峰の青空へ飛んで行きました。
このカメノコテントウは、1センチを越える日本で最も大きい部類のテントウムシで、成虫も幼虫もクルミハムシというオニグルミなどの葉を食べるハムシが好物です。ですから、クルミが生育する山の沢沿い、しかもクルミハムシなどの食べものがなければ生きていくことができません。一見派手で可愛いこのテントウムシも、豊かで多様な環境があってはじめて子孫を残すことができるのです。
人間の営みも同様で、多様な生態系があってはじめて成り立っています。大人になってみかけることが少なくなった生きものたちも、この仕事に就き、妙高高原に通うようになって再び出会えるようになったということも多々ありました。多様な生物が生きていける笹ヶ峰をはじめとした豊かな妙高高原の環境を、良い状態で次の世代にバトンタッチするために、今年も自分にできることから取り組んでいきたいと気持ちを新たにした、そんな出会いでした。
まだまだ人を寄せ付けない笹ヶ峰にくらべて、いもり池のミズバショウはというと…
ごらんの通り、咲き始めていました。この日はあいにく曇りでしたが、妙高山と残雪をバックに、可憐に咲くミズバショウ群落を間近で観賞することができるのも、この時期ならではの楽しみではないでしょうか。
環境省のパークボランティアの皆さんが池の周りの遊歩道のところどころに立って、訪れた皆さんにミズバショウといもり池の自然について解説している「ミズバショウ解説活動」も妙高高原ビジターセンターとの共催で、4月28日(土)から5月6日(日)の9日間毎日開催されています。どなたでも無料で解説を聞いて頂くことができますので、生きものたちの息吹に満ちた妙高高原の春を是非一度体感しにいらしてみてはいかがでしょうか。
「ミズバショウ解説活動」に関するお問い合わせは、
妙高高原ビジターセンター
電話:0255-86-4599
まで、お気軽にお問い合わせください。
去年は4月18日でしたが、今年は一週間ほど遅れての確認となりました。そのせいでしょうか、昨年の現場確認時よりはいくぶん雪の量が少なく感じられました。
駐車場トイレの確認後、スノーシューを着用してキャンプセンターや笹ヶ峰ミニビジターセンター…
広いキャンプ場内のトイレ、炊事棟、看板などの各施設をひとつひとつ雪による被害などがないか確認して行きます。
7月のキャンプサイトオープン後に訪れる皆さんに、安全にそして安心して利用して頂くための大切な作業のひとつですが、あたりはまだ雪原ですので雪にうもれてチェックできない箇所もありました。また、スノーシューを付けていれば移動は楽ですがここのところの好天で融雪がすすみ、写真を見て頂ければわかるように建物の近くは屋根からの落雪がいつ起きてもおかしくない状況になっています。遠目には平らな雪原に見えていても大きな穴がぽっかり空いていたり、場所によっては下が空洞になってしまっている箇所がある可能性も考えられます。気を配りつつの調査となりました。
確認を済ませてミニビジターセンターに戻ってくると、雪の上に赤黒いものが落ちていました。拾いあげて見ると…
カメノコテントウでした。こんなに早い時期に出会ったことがなかったため、死んでいるのかな?と思いきや、裏返してみると、とたんに足をジタバタ!この日の暖かな日差しに誘われて出てきてしまったのでしょう。
しばらく手の中に入れていましたが、驚いたのか、青臭いニオイのする赤い汁を手に付けられてしまいました。甲に乗せると忙しく歩き回り、写真を撮るのも一苦労。そのうち淡く霞む笹ヶ峰の青空へ飛んで行きました。
このカメノコテントウは、1センチを越える日本で最も大きい部類のテントウムシで、成虫も幼虫もクルミハムシというオニグルミなどの葉を食べるハムシが好物です。ですから、クルミが生育する山の沢沿い、しかもクルミハムシなどの食べものがなければ生きていくことができません。一見派手で可愛いこのテントウムシも、豊かで多様な環境があってはじめて子孫を残すことができるのです。
人間の営みも同様で、多様な生態系があってはじめて成り立っています。大人になってみかけることが少なくなった生きものたちも、この仕事に就き、妙高高原に通うようになって再び出会えるようになったということも多々ありました。多様な生物が生きていける笹ヶ峰をはじめとした豊かな妙高高原の環境を、良い状態で次の世代にバトンタッチするために、今年も自分にできることから取り組んでいきたいと気持ちを新たにした、そんな出会いでした。
まだまだ人を寄せ付けない笹ヶ峰にくらべて、いもり池のミズバショウはというと…
ごらんの通り、咲き始めていました。この日はあいにく曇りでしたが、妙高山と残雪をバックに、可憐に咲くミズバショウ群落を間近で観賞することができるのも、この時期ならではの楽しみではないでしょうか。
環境省のパークボランティアの皆さんが池の周りの遊歩道のところどころに立って、訪れた皆さんにミズバショウといもり池の自然について解説している「ミズバショウ解説活動」も妙高高原ビジターセンターとの共催で、4月28日(土)から5月6日(日)の9日間毎日開催されています。どなたでも無料で解説を聞いて頂くことができますので、生きものたちの息吹に満ちた妙高高原の春を是非一度体感しにいらしてみてはいかがでしょうか。
「ミズバショウ解説活動」に関するお問い合わせは、
妙高高原ビジターセンター
電話:0255-86-4599
まで、お気軽にお問い合わせください。