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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

妙高高原の雪景色

2012年01月26日
妙高
 昨年の年末除雪の合間でいもり池を訪れた際、池から妙高山を見上げると、山頂付近に現れたくねくねと昇る雲がまるで今年の干支「辰」のように見え、「来年はきっと良いことが起こるのでは…」と期待に胸膨らませつつ迎えた2012年。

 2011年の年始は、雪が少なくスキー場関係者の皆さんをやきもきさせましたが、今年は積雪量も十分で一安心。やっぱり「“辰の雲”のおかげかな、いい年になりそう。」と思いきや、雪はどんどんどんどん降り積もり…


 

 1月中旬を過ぎる頃には、事務所周辺もこんな姿となりました。
 
 事務所の屋根は雪が自然に落下するように作られていますが、雪が屋根にくっついてこんな状態になってしまいました。写真の赤い除雪機噴出口の先端までで高さ2m弱、事務所の屋根の端から端までが約10mです。
それから考えると、屋根上の雪の高さは、少なくとも2m、幅は9m以上はあるでしょう。とんでもない重量が事務所にのしかかっているはずです。

 いもり池も気になったので、合間で様子を見に行ってみました。妙高高原ビジターセンターと反対側の入り口は、池の近くまで地元の皆さんの協力で一部除雪されていて、スノーシューがなくても入っていけるようになっていました。除雪と久しぶりの晴天のおかげか、雪原となったいもり池の向こうにそびえる妙高山を一目見ようという皆さんが、入れ替わり立ち替わり訪れていました。

 空気は冷たいですが、この時期ならではの美しい景色。


 

 点々と残る動物たちの痕跡、巨大なマシュマロのような雪の丘、そしてその向こうに静かにたたずむ雪化粧した妙高山。澄んだ空気の中、スキー場のアナウンスがかすかに聞こえてきます。

 寒さと同時に、不思議な暖かみも感じました。

 さて、前述の屋根雪はどうなったかといいますと、とうてい素人の手に負える状態ではありませんので、日を改めて専門の業者さんにお願いし、雪をおろして頂きました。

 防護板は設置してあるんですが、雪塊が事務所の窓を突き破り室内に飛び込んでくる可能性もありましたので、一時室外に避難しました。




 ご近所の皆さんも見守る中、クレーンで釣り上げたゴンドラに作業員の方が乗り込み、写真の通り、まず向かって右側のアンテナにくっついてしまった雪を崩してから、反対側に移動し慎重に崩していきます。
 しばらく作業したところで、アンテナ側の4分の1程を残して巨大な雪の塊が「ゴ、ゴ、ゴ、ザーッ」という音とともに一気に落下しました。その後、アンテナ周りを作業員の方が手で除雪し、ガラス窓が壊れることも無く無事に終了しました。

 地元の皆さんのお話では例年のこの時期の1.5倍以上の積雪とのこと、事務所の屋根がこんな状態になったのは長く住んでいるが初めて見たと言う方もいらっしゃいました。これから2月末までは降雪量が心配されるところですが、こんな出来事も雪の多い地域の冬ならではの経験ではないでしょうか。また、この時期妙高高原は晴れの日が少ないのですが、冬にしか見ることのできない美しい自然やこの時期にしか体験できない楽しみもたくさんあります。

 環境省でも、妙高高原ビジターセンター様との共催で、冬の妙高高原の自然を満喫してもらうイベント「雪上観察会」を2月19日から3月25日までの毎週日曜日に開催する予定ですので、この機会に是非妙高高原の自然を体感してみてはいかがでしょうか。

 詳しくは下記ホームページのトピックスをご覧頂き、妙高高原ビジターセンターまで、お電話にて(0255-86-4599 受付時間9:00~17:00 定休日:毎週水曜日・木曜日)お申込みください。

「環境省長野自然環境事務所ホームページ」
https://chubu.env.go.jp/nagano/