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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

初冬のいもり池と妙高山

2011年12月07日
妙高
 ここ数日は最低気温が0度近くなる日もあり、小雪の舞う日も増えてきた妙高高原。今年もいよいよ雪の続く日々がはじまる予感。
 除雪時の目印として杭を地面に打ち込んで竹をくくりつけ、メンテナンスから戻ってきた除雪機を事務所前に移動して、いよいよ妙高高原自然保護官事務所も除雪体制を整えました。

 最近はめっきり晴れの日が少なくなってきましたが、この朝は通勤途中薄雲の中にたたずむ妙高山がとても印象的でした。そこで、朝清掃の合間の短い時間、いもり池周辺の様子を確認しに行ってみました。
 すると、地元のみなさんでしょうか、雲の切れ目からさす一瞬の太陽光線をチャンスと思われたのでしょう、すでにシャッターを切っていらっしゃる方も見受けられました。




 気温は低いですが風はなく、薄く雪化粧した妙高山が静かにたたずみ、いもり池にその美しい姿を映していました。




 「湖面に広がりすぎたスイレンがもう少し少ないと、もっと大きく池に山が映りこむのに。」と、
腕の悪さをスイレンのせいにしたりしています。
 もともとこの池には生育しておらず、広がりすぎたスイレンを、地元の方に間引いて頂いてはいるのですが、なかなか追いつかないのが現状です。

 ふと視線をおとすと、先ほどの妙高山撮影ポイントの手前、遊歩道の隅に、点々と残る動物の足跡が目にとまりました。




 足跡の長さは6cm~7cmくらい。犬の足跡のようにもみえますが、周囲に人の足跡がない、うっすら積もった雪の上に点々と残されていますから、散歩中についた犬の足跡ではないようです。

 よくみると、足跡が重なっていて、ところどころ「シュッ」とこすったような細長い痕跡が、足跡と足跡の間についています。足跡は直線的に続いていました。

 足跡の形や大きさ、跡の残り方から、おそらくテンかキツネではないかと思います。いもり池周辺でキツネは何回か目撃し、つい数日前も帰宅途中で出会ったばかりでしたが、テンを見たことはいまのところありませんので、このへんに住み着いているキツネではないかな、と考えました。
 シュッとした跡は、しっぽがこすれてできたのではないかと思います。ちなみに、テンは指の跡が5本で残ることが多く、キツネは4本で残ることが多いそうです。

 こんな風に、美しい風景に目を向けて味わってみたり、想像力を働かせて「アニマルトラッキング」(動物を追跡すること、日本では雪上の痕跡を追跡することが多いそうです。)してみたりすることも、楽しみながら自然環境への理解を深め、人と自然が共存共栄していく方向性を見いだすための、ひとつのきっかけとなるのではないかと考えています。

 皆さんも冬の晴れ間を利用して、妙高高原を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと、他の季節とはまたひと味違った、自然の美しさや楽しみ方を再発見していただけると思います。