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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

笹ヶ峰ミニビジターセンター閉館

2011年10月25日
妙高

 青空に薄い秋の雲がかかる朝、一週間ぶりに笹ヶ峰に出かけました。

 火打山登山口付近に設置してある登山者カウンターのチェックと笹ヶ峰ミニビジターセンターの閉館確認のためです。道中のカラマツはかなり黄色に色づきはじめていて、笹ヶ峰周辺は既に紅葉も終わりでした。
笹ヶ峰牧場の牛たちも姿は見えませんでした。

 まず、常設と仮設の登山者カウンターのチェックです。(手前が仮設で、奥の木箱が常設です。)




 ぽかぽか陽気でしたが、平日でしかも木々の多くは葉を落としてしまっているせいか、先週末とくらべると利用者の方もかなり少なくなってきています。(腕がつりそうな体制での「自分撮り」でした。)

 登山道入口近くの石に腰を下ろし、トイレを我慢しながらカウントを続けていると、木道の上をうろうろ歩いているバッタに目がとまりました。
 なんだか幼虫のような姿です。そのうち木道の隙間にお尻をつっこんで動かなくなりました。




 産卵です。大人になっても羽根の短い「ミヤマフキバッタ」の仲間だそうで、こんな山の上でも生き抜いているけなげな姿、撮らずにはいられませんでした。このバッタの仲間も日本固有の種が多いそうです。

 カウント作業終了後、今度は笹ヶ峰ミニビジターセンターの閉館確認です。
 笹ヶ峰ミニビジターセンターは職員が常駐していない環境省の施設です。雪の非常に多い笹ヶ峰では、残念ながら冬期閉館せざるをえません。すでに玄関には鍵がかけられています。

 開館中多くの方に利用して頂いた「全国自然いきものめぐりスタンプラリー」のグッズ類を片付け、入館者名簿の整理などを行ってから、館内を確認し「閉館表示」を張り出して再び玄関を施錠しました。




 玄関前のシラカバは葉を落とし、ツタウルシもすでにツタだけになっていました。

 玄関右手のトイレ入口脇には、雪囲い用の板が立てかけてあります。
館内の清掃や雪囲いが完了すると、6月まで半年以上はお休みとなります。

 今年は昨年より多くの方に利用して頂きました。ほんとうにありがとうございました。

 さまざまな貴重ないきものたちが、たくましく生きるこの笹ヶ峰の自然を守っていくためにも、拠点となる施設は必要です。笹ヶ峰の豊かな自然を多くの方に体感して頂き、生物多様性の重要性に目を向けて頂くために、「笹ヶ峰ミニビジターセンター」を今後も大切な情報発信の場の一つとして活用していきたいと考えております。