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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

外来植物除去作業

2011年10月17日
白山
ご無沙汰しています。
白山麓はあっという間に紅葉の季節がやってきました。
もうすぐ長い冬がやってくると地域の方々に言われ、追われるように精力的に野外での巡視活動を行っています。
綺麗な花ももうすぐ見納めなのかと感じる今日この頃です。

さて、16日に生態系維持回復事業の一環として外来植物除去作業に出席してきました。今年度は昨年度より活動範囲を広げ、大々的に低地性植物であるオオバコ、スズメノカタビラ等の除去作業を行ってきました。

その最終活動として、岐阜県大野郡白川村にある大白川地区で除去作業を行いました。
大白川地区は平瀬道という登山道があり、山頂まで登ることができる道として岐阜県側で最も登山利用者が多い場所です。高山帯に種を持ち込む可能性が高いことから、昨年度より重点的に作業を行っています。

朝から半日かけて、登山口付近のオオバコを計20人ほどで除去しました。
除去の合間に、恒例の除去したオオバコで作ったオオバコ茶を飲んだり、花の穂でオオバコ相撲をしました。

大白川での活動は最年少に1歳6ヶ月ほどの小さな子もいて、様々な年代の方が白山の生態系を守るため作業を行いました。


【オオバコ相撲負けちゃったね。】


今年度の外来植物の除去は色々な箇所で行われました。
石川県では市ノ瀬周辺、南竜山荘周辺、室堂周辺、砂防新道などの登山道
福井県では赤兎山周辺、三ノ峰周辺
岐阜県では石徹白地区、石川県とまたがる白山スーパー林道や今回の大白川園地
数えてみると、なんと9箇所で作業をしていました。

特にオオバコの除去作業を黙々と行っていると、除去しやすい箇所、しにくい箇所が段々分かってきます。
今回の大白川の登山口周辺や三ノ峰などの地面の固すぎるところではなかなか除去できず、「おりゃーっ!」と、どうしても力が入ってしまいましたが、はっ、と生きものが分布を広げるのは当然のことだと我に返ります。

外来植物除去作業には「生きものは悪くない」という考えが根底にあって初めて成り立つ活動だなと感じました。

このような活動が盛り上がるのは嬉しいことです。
しかし活動分布が広がると言うことは低地性植物が高山帯に分布を広がっていることを意味します。

これ以上分布を広がらないようにするために、登山道の起点となる箇所を重点的に行っています。
もし、白山のために何かできることをやってみたいという方いらっしゃいましたら、来年外来植物除去イベントに参加してみてはいかがでしょうか??


【今年度は終わりです。お疲れ様でした!!】