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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

雄大な山岳景観

2011年09月21日
後立山
長野事務所では、レンジャーとアクティブ・レンジャー(AR)が、管内の国立公園の歩道(登山道)の状況(登山道の浸食や植生荒廃状況など)を把握するための調査(歩道調査)を行っています。
調査の際には、歩道の状況の把握だけでなく、歩道の安全管理と利用状況把握・利用者指導も行います。そして、調査結果を様式に従って歩道カルテにまとめます。この調査結果は、どこにどのような整備が必要か、どの箇所を優先的に整備するかなどを検討する材料になります。このように歩道調査は国立公園の現状把握と整備・管理のために必要で重要な作業です。
歩道の雪解け後から積雪前まで、ARは調査の日々が続きます。

8月終りから9月初めに、中部山岳国立公園のいわゆる裏銀座縦走コースの北部と高天原の歩道調査を行いました。裏銀座縦走コースの北部の歩道が長野県と富山県の境にあり、高天原は富山県にあるので、長野県側を担当する私と富山県を担当する立山自然保護官事務所のAR2名が協働して行いました。

まずは山並み。この雄大な山岳景観が中部山岳国立公園の魅力の一つです。
私の担当する後立山の山並みも一望できました。実際に山並みを見て気を引き締めました。

<上左:槍ヶ岳と東鎌尾根、上右:立山>
<下左:後立山、下右:水晶岳>


そして、足元には高山植物。

<チングルマとミヤマダイコンソウが咲いている>

この写真を見て、何か変に感じた方がおられるかもしれません。
撮影日は8月30日なので、チングルマの花は季節外れです。でも、本当に咲いていました。
この場所の上には雪渓が残っていました。おそらく雪が溶けるのが遅かったので、花が咲くのも遅かったのだと思います。こういうのを見られるのが山の自然の面白さです。


さて、登山道には誘導標識が要所に設置されています。関係者は登山道や標識の整備など安全確保に努めていますが、写真のように傾いているものもあります(この標識は傾いていますが機能は維持されています)。分岐点では万が一の事故を防ぐため、地図を見て、自分の進む道を確認してから歩を進めてください。自身の安全性を高めるための準備や心構えで、楽しい登山を。