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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

【番外編】オオフタバムグラ駆除

2011年09月14日
志摩
 志摩半島野生動物研究会(以下、野生研)の方々が毎年実施してくださっている、和具大島のアツバキミガヨラン(通称ユッカラン)の駆除が今年も始まっています。 といっても、台風の接近があったり、波の状態が良くなかったりと・・・今年はまだ一度も実施できていません。大島へは船を使って渡る必要があるため、なかなかタイミングが難しいんです。
(※これまでのアツバキミガヨラン駆除については、半田ARの記事をご覧ください。)

 12日の駆除に私もお手伝いに行く予定でしたが、例により渡船出来ず・・・予定を変更し、公園の区域外になりますが、明和町の大淀(おいず)海岸に行くことになりました。
 ここには、野生研の方々が昨年より駆除活動を行っているもうひとつの外来植物「オオフタバムグラ」がたくさん繁殖しています。北アメリカ原産の帰化植物で、伊勢志摩国立公園では伊勢市二見町の神前(こうざき)海岸、志摩市志摩町布施田の広の浜でも繁殖が確認されています。まだまだ他の海岸にも広がっている可能性があります。


【オオフタバムグラ(アカネ科オオフタバムグラ属)】

堤防を下りてみると、砂浜を覆っているほとんどがオオフタバムグラで驚きました。台風により海水をかぶったためか、大半は茶色く枯れていました。これらを、種を落とさないようひとつひとつ手作業で抜いていきます。
ちょうど花の時期で、淡いピンクの花を咲かせていました。かわいらしい花を見て、「なんだか抜くのをためらってしまうね。」とみんなで言いながら作業。


海水がかかった為か、枯れています。


小さな花。(花期:7~10月)

アツバキミガヨランは、大きい物は高さ2m近くになり、駆除の際は根をひとかけらも残さないよう1m近く穴を掘る必要があります。それに比べ、オオフタバムグラは大きくても高さ50cmほど。それほど力を入れなくても、気持ち良いほど簡単に抜けます。根が途中で切れてしまわないように、真上に引っ張るのが上手に抜けるコツです。


オオフタバムグラの種。種がくっついた軍手も一緒に処分します。

とは言え、一本一本地道に抜いていかなければならないため、砂浜全体に広がったオオフタバムグラを駆除するのはかなり骨の折れる作業です。9人で3時間かけて作業し続け、だいぶ綺麗になりましたが、まだまだ全体の半分も駆除できていません。これはもっとたくさんの人手が必要だなぁと感じました。

今後のアツバキミガヨラン駆除は、以下の予定で行われます。波浪により作業中止の場合は、今回のように明和町大淀海岸でオオフタバムグラの駆除を実施するそうです。お近くの方は、どうぞご参加ください。

日 時:9月19日(月)、9月25日(日)、10月3日(月) 9:00~16:00
集 合:志摩町和具漁港(西側の公園付近)に9:00

【申し込み、問い合わせ】
 ・若林郁夫ケイタイ  090-8957-9288 ikuowaka@amigo2.ne.jp
 ・中村みつ子ケイタイ 090-6570-9068
 ※損害保険に加入するため、参加してくださる方は必ず事前にお申し込みください。


16袋分の駆除が出来ました。


堤防側には、まだまだビッシリ生えています。