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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

生きものたちの楽園「妙高高原」

2011年06月29日
妙高
 先回の日記から3週間以上過ぎてしまいました。
梅雨どきの妙高高原は様々な生きものたちが活発に動きはじめる季節。
この三週間で出会った生きものは、工事現場に現れた「ニホンリス」の子どもやいもり池を飛び回るトンボの「コサナエ」、車の前に飛び出してきた「モリアオガエル」やひらひらと舞う「ウスバシロチョウ」「アサギマダラ」など様々でしたが、一つだけご紹介。
羽化直後の「ミヤマカラスアゲハ」です。




 6月上旬の夕方、保護官事務所からいもり池に向かう車道の道ばたで小雨に打たれていました。何枚もしつこく写真を撮るといやがって向きを変えてしまいました。

 さて、6月の後半になって新潟も梅雨入りしました。
梅雨入り後の週末、早朝から地元の皆さんによる妙高山の登山道整備に同行しました。
 登山道の倒木や繁茂するネマガリダケの状況を確認しながら、赤倉登山道の上にある温泉管理小屋から分岐点の通称「天狗堂」まで進みました。燕温泉側からあがってきた班と合流し、石の祠の前でしばし休憩です。




 まだ足下には雪が残っていました。写真左手の奥から山頂に向かう途中にも、ところどころ雪が残っているとのことでした。今年は雪消えが例年より遅いようです。妙高山に登られる皆さんは事前に十分に情報を集めた上、「無理のない計画で、楽しい登山を!」お願いします。

 天候には恵まれませんでしたが、無人の避難小屋「大谷ヒュッテ」まで戻り池の平温泉と妙高温泉の源泉「南地獄谷」に向かう途中、地元の方も驚くほど濃いピンク色のイワカガミを見ることができましたし、幻想的な霧の中高さ10㎝に満たないこんな可憐な花にも出会えました。




 これはアカモノというツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木で、真っ赤な実をつけることから「赤桃(あかもも)」と呼ばれていたのが、いつしか訛って「アカモノ」と呼ばれるようになったそうです。別名は「イワハゼ」。

 3種あるイワカガミも写真のアカモノも、上信越高原国立公園の「指定植物」です。「指定植物」には多くの種類がありますので、ぜひHPで一度確認してみてはいかがでしょうか。

 詳細な情報は、環境省ホームページトップの右下「国立公園」から、
右側「関連法令・各種資料」→資料「自然保護各種データ」→自然公園について「国立・国定公園特別地域内指定植物」と進んでください。
アドレスは、
http://www.env.go.jp/park/doc/data/plant.html
です。

 植物だけでも本当に多くの貴重な種があることがわかっていただけると思います。子ども達や次の世代へ豊かで安全な環境を受け継いでいくために今取り組むべきことは何か、考えていただくきっかけになれば幸いです。

 アカモノの写真を撮ったあと、予想外の強い雨に追われるように山を下りました。今度は是非天候の良い時に、訪れてみたいと思いました。

皆さんも豊かな自然の宝庫「妙高高原」の生きものたちに会いに来ませんか?