中部地方のアイコン

中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

「いつか」ではなく「明日」のために

2011年06月27日
名古屋
東日本大震災。

3月11日に発生したこの未曾有の災害に対して、
直接の被害に遭わずとも、被害の大きさに胸を痛めると同時に、
あの津波の破壊力にショックを受けた方も多かったのではないかと思います。

目の前に海を臨む、私たち稲永ビジターセンター、藤前活動センター、名古屋自然保護官事務所職員も、
あの津波の被害映像に非常に大きな衝撃を受け、
東海地震や東南海地震の津波への不安・恐怖が一気に高まりました。
(実際、3月11日は浸水に至らなかったものの、
名古屋港には1m程度の津波が来ていたそうです。)

そこで!!
不安を嘆いてばかりでは仕方がない!ということで、
6月22日、藤前干潟の各センターで初めての震災・津波に対する避難訓練を行いました。

◆稲永ビジターセンターの避難訓練◆
午前中は稲永ビジターセンターからの訓練を行いました。

「訓練!訓練!」というアナウンスとともに訓練開始。
訓練と分かっていても、一気に緊張感が高まりました。
ヘルメットを被り、非常持ち出し袋を持って、人数を確認して・・・。
避難所の稲永スポーツセンターへ、さぁ避難!



避難した稲永スポーツセンターからの帰りには津波避難ビルに指定予定の市営住宅を見に行きました。
命に関わる問題なので、ビルを見る顔は真剣そのものです・・・。



◆藤前活動センターからの避難訓練◆
午後は藤前活動センターから藤前公園(一時避難場所)への避難訓練を実施。
大変暑く、汗を大量に流しながらの訓練に・・・。



訓練後は、同じく津波避難ビルに指定予定の南陽工場へ見学に伺いました。


【南陽工場5階からの眺め (余談ですが、南陽工場は藤前干潟がよく見えるおすすめスポットです)】

このように、初めての震災に対する避難訓練は無事終わりましたが、
避難訓練中も、避難訓練後の反省会でも、参加者のみなさんが口にされたのは、
やはり津波への恐怖でした。

私も、正直、大きな災害に対しての無力感を感じる部分もありましたが、
このたびの震災では、頻繁に行っていた避難訓練により多くの命が助かったという事例を耳にします。
防波堤の強化等のハード面の対策を待つだけでなく、
私たちはソフト面でできる努力をしていきたいと
改めて感じた避難訓練でもありました。

災害はすぐにでも起こるものとして、
今回の訓練の反省点等を生かして、
今後も訓練実施や情報収集にあたっていきたいと思っています。



最後にお知らせです。
以前のAR日記でご報告しました「みどりのフェスティバル」のおりがみイベントですが、
予告通り、稲永ビジターセンターに展示しました!
8月末まではみんなの折ってくれたおりがみの「いきもの」たちが、入り口横で迎えてくれます。
夏休みにはぜひ見に来てくださいね!