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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

漂着ゴミ@宿田曽

2011年06月22日
志摩
伊勢志摩国立公園では、「漂着ごみ」の実態やその影響をより深く知ってもらおうと、地元の子どもたちを対象にした「グリーンワーカー」という事業を行っています。

6月19日(日)には、その事業の一環で「漁師まちで見る!磯の生き物調査&干物作り」が実施されました!
「ぼくといっしょに伊勢志摩国立公園の自然を守ってほしい!」と、隊長の藤田レンジャーが参加者の子どもたちをパークレンジャーに任命。


【子どもパークレンジャー任命式!】


今回の舞台は、度会郡南伊勢町宿田曽の漁村。
テーマは「さかな」です。
午前中は、漁師さんによって水揚げされた魚が運ばれてくる「漁港」や、魚を加工する「干物工場」を見学させてもらいながら、海で採れた魚がわたしたちの元に届くまでを探りました。


【おいしい干物ができるまで】


お昼には、地元産のアラメの酢の物、そして工場で作られた焼きたてのアジとハギの干物をいただきました!
育った海を目の前に、感謝しながらいただきます。

午後からは、車ですこし移動。
和田の浜という海岸で、「海岸にはどんな生きものがいるか?」「生きものたちが暮らす環境は汚れていないか?」を調べました。
生きもの調査で見つかったのは、ヒライソガニ、ケフサイソガニ、オサガニ、フナムシ、スナヒトデ、ムササキウニ、バフンウニ、オトメガサ・・・など。
ひっくり返した石の下からは、口から触手が出ている不思議な生きものを発見!
「なんだろうこれ~!?」とみんなビックリ。帰って調べてみたところ、ムラサキクルマナマコというナマコの仲間でした。潮間帯の石の下に集団でいるのがよく見られ、この触手を伸び縮みさせることで歩くそうです!


【生きもの調査中!】


さて、たくさんの生きものを見つけたこの浜ですが、なにか問題は起こっていないのか?
海上保安庁から3名の方に来ていただき、海岸の様子を調べたところ・・・
カップ麺の容器、ペットボトル、ガラスの破片、空き缶、ビニール紐、釣り糸など、いろんなゴミを発見。
一見とってもきれいな浜に見えましたが、探してみるとたくさんのゴミが流れ着いていることが分かりました。
そして、この日一番多く見つかったのは、発泡スチロールの破片。
この多くは、もとは伊勢志摩でたくさん見られる養殖イカダに使われているフロート(浮き)なんですが、古くなると細かく砕けてしまうため、一番やっかいなゴミになってしまうそう。
みんな一生懸命拾ってくれたので、とても綺麗になりました!


【海上保安官のみなさんと、漂着ごみを調査!】


おいしい干物になる魚や、海藻が育つ海。
カニやナマコがいる海岸。そんな自然を守る海上保安官やレンジャーの存在。
なんだかいつも何気なくみている風景が違った景色に見えてきます。
子どもパークレンジャーのみんなは、どんなことを感じてくれたでしょうか・・・?
おみやげにいただいた手作りの干物を食べるとき、今日のことを思い出してくれるといいなぁと思います。

参加してくださったみなさま、干物工場のみなさま、海上保安庁のみなさま
1日どうもありがとうございました!