アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
ちょっとちょっと!
2011年06月13日
名古屋
数年前、「ちょっとちょっと!」というお笑いコンビのギャグが流行ったことがありましたが、今日は、「ちょっとちょっと!釣りをする皆さんへ」というお話です。
*庄内川河口付近では、餌をついばむカワウの姿を見ることができる。
先週末、のんびりお昼ご飯を食べていたら、ビジターセンターに「カワウが釣り糸にひっかかってもがいている」という通行人の知らせが飛び込んできました。
ビジターセンターのスタッフ、そしてお隣の名古屋市野鳥観察館のスタッフに声をかけ、現場にかけつけてみると、藤前干潟と呼ばれる中でも庄内川の河口部にある干潟近くで、一羽のカワウがもがいていました。
*羽根に釣り糸がかかってしまったようだ。(写真:名古屋市野鳥観察館)
よく見ると、左羽根に釣り針がささり、その羽根から釣り糸が川岸に向かって伸びています。どうやら川岸の岩に根掛かりした釣り糸にからまり、それを振り払おうと、潜っては体を振り、潜っては体を振っています。が、潜る度に、釣り糸が首にまきついていくようです。
「助けたい」。その場にいた3人の気持ちは一致し、胴長を着て川に入り、釣り糸をはずそう、ということで意見はまとまりました。
一人を見張りに残し、残る二人で事務所に戻り、胴長をタモと準備。現場に取って返すと、見張りのスタッフが、腕でバッテンを作り、悲しそうな顔をしています。
潜ったきり、出てこないというのです。
潜った時に、また違う岩か何かに糸がからまってしまったのでしょうか。しばらく目をこらし水面を見つめましたが、さざなみが立つばかりです。
*二度とカワウは浮かんでこなかった。(写真:名古屋市野鳥観察館)
そこにいてもどうしようもないことはわかっているのですが、その場から足が離れません。別のスタッフが、それとは違う岸の岩にかかった釣り糸を発見しました。
*悲劇が起きた岸。スタッフが別の釣り糸を回収した。
藤前干潟周辺では、放置された釣り糸や釣り針による、渡り鳥の被害が相次いでいます。「ちょっとぐらい」という油断から、小さな命が失われています。
こうした悲劇を繰り返さないためにも、釣り人のみなさん。「自分が持ってきた釣り糸、釣り針は、お持ち帰りいただけないでしょうか。」
そして悲劇を間近に見ているわたしたちは、水に浸かって数週間すると溶ける釣り糸が開発されないなかな、と願うのでありました。
*庄内川河口付近では、餌をついばむカワウの姿を見ることができる。
先週末、のんびりお昼ご飯を食べていたら、ビジターセンターに「カワウが釣り糸にひっかかってもがいている」という通行人の知らせが飛び込んできました。
ビジターセンターのスタッフ、そしてお隣の名古屋市野鳥観察館のスタッフに声をかけ、現場にかけつけてみると、藤前干潟と呼ばれる中でも庄内川の河口部にある干潟近くで、一羽のカワウがもがいていました。
*羽根に釣り糸がかかってしまったようだ。(写真:名古屋市野鳥観察館)
よく見ると、左羽根に釣り針がささり、その羽根から釣り糸が川岸に向かって伸びています。どうやら川岸の岩に根掛かりした釣り糸にからまり、それを振り払おうと、潜っては体を振り、潜っては体を振っています。が、潜る度に、釣り糸が首にまきついていくようです。
「助けたい」。その場にいた3人の気持ちは一致し、胴長を着て川に入り、釣り糸をはずそう、ということで意見はまとまりました。
一人を見張りに残し、残る二人で事務所に戻り、胴長をタモと準備。現場に取って返すと、見張りのスタッフが、腕でバッテンを作り、悲しそうな顔をしています。
潜ったきり、出てこないというのです。
潜った時に、また違う岩か何かに糸がからまってしまったのでしょうか。しばらく目をこらし水面を見つめましたが、さざなみが立つばかりです。
*二度とカワウは浮かんでこなかった。(写真:名古屋市野鳥観察館)
そこにいてもどうしようもないことはわかっているのですが、その場から足が離れません。別のスタッフが、それとは違う岸の岩にかかった釣り糸を発見しました。
*悲劇が起きた岸。スタッフが別の釣り糸を回収した。
藤前干潟周辺では、放置された釣り糸や釣り針による、渡り鳥の被害が相次いでいます。「ちょっとぐらい」という油断から、小さな命が失われています。
こうした悲劇を繰り返さないためにも、釣り人のみなさん。「自分が持ってきた釣り糸、釣り針は、お持ち帰りいただけないでしょうか。」
そして悲劇を間近に見ているわたしたちは、水に浸かって数週間すると溶ける釣り糸が開発されないなかな、と願うのでありました。